悩み相談、1カ所で応対を 県内自殺者、昨年は302人

悩み相談、1カ所で応対を  県内自殺者、昨年は302人

 国の自殺予防週間(十〜十六日)に合わせて、各地で悩み相談や自殺防止を呼び掛ける活動が行われている。昨年、県内では三百二人が自ら命を絶った。健康や経済、家庭での悩みを同時に抱えて自殺に至るケースが多くあり、専門家は「生きづらさを抱えている人に一カ所で対応する相談窓口が重要だ」と話す。
 県内の自殺者は一九九八〜二〇〇九年に四百人を超えたが、最近は三百人台で推移。全国でも三万人を超えていた自殺者が、昨年は約二万一千人にまで改善した。厚生労働省自殺対策推進室は「雇用情勢が改善し、自殺者三万人を緊急事態ととらえて〇六年に自殺対策基本法を策定し、各県が対策を進めたことなどが要因だ」とみる。
 県内の自殺者は男性が七割を占め、年代別で五十代がやや多いが、二十〜八十代に幅広く分布する。自殺要因は多い順に「健康問題」「経済・生活」「家庭」「勤務」となっている。
 自殺問題に取り組むNPO法人ライフリンク(東京)によると、自殺した人は平均で三〜四つの問題が重なり、追い詰められていくケースが多い。例えば二〇〇〇年前後の不況の際は、働き盛りの男性が職を失って多重債務に陥り、家族との関係が悪化して最終的に精神の不調に陥るケースが目立ったという。
 ライフリンクの調査では、自殺者の七割は亡くなる前に何らかの窓口に相談に訪れたが、解決に結び付いていなかった。担当者は「追い詰められた人に、『その問題はここではない』と他の窓口を紹介しても、そこまでたどり着く気力がない」と指摘する。
 自治体でも自殺対策として、心の問題に加え、雇用、借金、医療、介護といったさまざまな問題に対応できる「ワンストップ型相談会」を始めている。
 県内では紀北町がライフリンクの助言を受け、二十一日に「雇用・生活・薬と心の総合相談会」を実施する。ハローワークの担当者や、借金問題などに詳しい司法書士、体と心の医療の専門家らが集まって、町民の相談を広く受ける。松阪市も二十五日に同様の相談会を予定する。紀北町の担当者は「今年で三年目の取り組みで、毎回十五人ほどの相談がある」と話している。
 (森耕一)

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