盲導犬になれなくても地域で活躍 

盲導犬になれなくても地域で活躍 

◆牧之原で児童を見守り5年
 牧之原市萩間小学校の校門前で、児童の登校を約五年間にわたって見守り続ける犬がいる。七歳のラブラドールレトリバー「ジェード」。地元の永田菊寿さん(64)が盲導犬試験に落ちたジェードを引き取り「盲導犬になれなくても、社会で活躍してほしい」と、一緒に活動。地域の安全安心の象徴的な存在として、子どもたちに元気をもたらしている。
 登校が始まる午前七時二十分ごろ、ジェードは永田さんと校門に向かい、お座りの姿勢で待ち構える。児童たちは「ジェード、おはよう」と声を掛けながら頭をなで、笑顔で校舎に入っていく。
 週初めの憂鬱(ゆううつ)な気分を明るくしてあげたいと、ジェードが校門に来るのは毎週月曜の朝。五年の長野裕心(ゆうじん)君(10)は「月曜の朝はいつも楽しみ。ジェードはみんなの人気者」と話す。
 ジェードは日本盲導犬協会富士ハーネス(富士宮市)で訓練を積んだ。二歳で試験を受けたが、好奇心旺盛な性格が災いして結果は不合格。同協会のボランティアに登録していた永田さんが引き取ることになった。二〇一三年から地元住民による児童の見守り活動の一環で、一緒に校門前に立つようになった。
 ジェードはこの五年間、一回も休んだことがない。苦手な夏場でも、疲れた様子を見せながらも校門前に座り続ける。決してほえないため、児童も安心した様子で近づき、永田さんは「訓練を積んできたからこそ。あの経験が今につながっている」と目を細める。
 中村元信教頭(49)は「ジェードの頑張りで地域の防犯活動も活気づく。児童も地域に溶け込みやすくなっており、本当にありがたい存在」と感謝する。
 市の推薦により、十六日には榛南交通安全対策連絡会から交通安全功労表彰を受ける。人間でいうと五十代半ばで、白髪も目立ち始めているが、「まだまだ元気。これからも一緒に頑張りたい」。児童の登校が終わり、地べたに横になってくつろぐジェードをなでながら、永田さんは笑った。
(佐野周平)

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