運休が長期化、観光業界に打撃 県内の鉄道

運休が長期化、観光業界に打撃  県内の鉄道

 西日本豪雨で県内でもJR高山線や長良川鉄道などの交通網が寸断され、復旧に時間がかかっている。高山線は十二日朝に下呂(下呂市)−飛騨古川(飛騨市)間で再開したが、名古屋方面や富山方面との直通は、めどが立たない。書き入れ時の夏休みを前に、県の観光業界には不安が広がっている。
◆22カ所で被害 JR高山線
 「一日も早く復旧したいですが、何もお約束できない状態。果たして、お盆に間に合うか…」。現場から次々に報告される被害の大きさを聞き、JR東海関係者は顔をしかめた。
 JR東海によると、高山線は二十二カ所で盛り土崩壊、レール流失、電線切断などの被害がある。飛騨市の坂上−打保間には二万立方メートルの土砂が堆積。下呂市などには、道路から遠く重機が入りにくい現場もあり、復旧作業は難航している。飛騨金山−下呂、坂上(飛騨市)−猪谷間(富山市)は、再開時期が見通せないという。
 名古屋と下呂温泉、高山などを結ぶ特急「ワイドビューひだ」は、欧米などからの海外旅行者が乗客の三割を占める人気列車で、利便性向上のため、今月一日に無料の公衆無線LANを導入したばかり。中部を南北に縦断する観光ルート「昇龍道」の主力の一つだが、六月二十九日以降、運休が続く。
 一方、東海北陸自動車道は、十三日に全線で通行止めが解除される見込みで、一時運休していた高速バスは需要が増えそうだ。名古屋−郡上−高山を結ぶ便を運行する名鉄バスは、乗客が鉄道から流れてくると予想する。既に、普段より予約が増え、満席の便がある。担当者は「土、日曜、祝日は、運転手の確保ができ次第、同じダイヤで二台目を走らせるなどバスを増やす」と話した。
     ◇
 JR東海と長良川鉄道は、運転見合わせ区間で代行バスを運行する。時刻表は両社のウェブサイトで確認できる。

 (中野祐紀、久野賢太郎)
◆美濃市−北濃間、再開めど立たず 長良川鉄道 
 豪雨による土砂崩れで線路が寸断された長良川鉄道(本社・関市)は、美濃市(美濃市)−北濃(郡上市)間が運休し、運行再開の見通しが立っていない。沿線では、観光の目玉となる郡上踊りの開幕が十四日に、白鳥踊りの開幕が二十一日に控える。踊り客の大半はマイカー利用だが、人気の観光列車「ながら」「川風」も運休しており、関係者はイメージの悪化などを懸念する。
 同社によると、梅山(美濃市)−北濃の線路六カ所で、浸水や土砂崩れ、倒木などの被害があった。線路の電気系統に異常があり、設備の交換に時間がかかる見込みだ。
 郡上市観光連盟の池田喜八郎会長は「長鉄で訪れる観光客のボリュームは小さいが、運休が長引くとイメージの悪化につながる可能性がある」と指摘。白鳥観光協会の寺田澄男会長も「鉄道が不通のままだとイメージが悪くなり、鉄道を使わない人にまで敬遠されかねない」と懸念する。
 長良川鉄道の社長を務める日置敏明・郡上市長は「国土交通省国道事務所、県と三者で協議し、まずは応急的な復旧を急ぎたい。安全を第一に考えながら、八月のできるだけ早い時期に運行を再開できるようにしたい」と言及。通学の足を確保するため「郡上八幡−北濃間は、十七日を目標に運行を再開したい」と話した。

 (本間貴子)


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