「子ども食堂」根付き始める 継続的な運営、下支え

「子ども食堂」根付き始める  継続的な運営、下支え

 子どもたちに食事や居場所を提供する「子ども食堂」が、県内で広がっている。百十五カ所と全国でみても活発で、地域に根付き始めた。自治体や支援企業などとつなぐ組織が、開設する際に助成したり、安全管理や食材の調達といった課題の相談に乗ったりして、継続的な運営を支えている。
 独自の支援の輪が広がる彦根市。その中でも「ビハーラ子ども食堂」は第二、四木曜の月二回と、多く開かれている。彦根市佐和町の純正寺本堂を会場に、集まるのは園児から中学三年までの子どもたちと、保護者や地域の大人たち五十〜六十人。カレーライスやハッシュドビーフなど、多彩なメニューを振る舞う。
 米や野菜といった食材は、近所の人や農家などの支援者に寄付してもらう。さらに包装の不良で品質には問題ない加工品や、規格外の野菜、家庭で食べない食材を集める「フードバンクひこね」からも届く。足りない食材は、企業から寄付された商品券を使ってまかなっている。
 純正寺の漢見(あやみ)覚恵住職は「さまざまな団体からのバックアップのおかげで、続けられている。運営で困ったときに相談できる窓口もあって、本当に助かっている」と話す。
 二〇一五年まで一カ所もなかった県内の子ども食堂は、三年半で急増した。県社会福祉協議会を中心に運営する「滋賀の縁(えにし)創造実践センター」が、拡大を後押ししている。センターは、県内で子ども食堂を開設する団体に三年間、最大四十万円を助成している。食堂を始めたい人のための準備講座では、衛生管理や保健所への手続きの仕方などを説明する。設立後も運営の相談に乗り、研修会や交流会も盛んに開いている。
 昨年度には運営が三年を越え、助成対象外となる子ども食堂が増えてきたため、県社協は新たに基金を創設した。企業や個人からこれまでに、三千七百万円ほどが集まっている。
 各市町の単位でも、支援が広がっている。フードバンクひこねは、彦根市社会福祉協議会が運営。市内七つの子ども食堂に食材を届けている。市の委託事業で専門の担当者を配置。新たに開きたい人と一緒に市内の子ども食堂を見学したり、人手が足りない子ども食堂を手伝ったりと、細かなサポートをしている。
 県社協の担当者は「県内の各小学校区に最低一つの子ども食堂設置を目指す。子どもを中心として、地域の皆が集まれる居場所にしていきたい」と意気込む。
◆新たな町づくりに
 「子ども食堂を開いて良かった」。もともと、檀家(だんか)に限らずどんな人も集える寺にしたいと考えていた漢見さんは、そう語った。ビハーラ子ども食堂では昨年末から、近くにある滋賀大の学生たちも参加し始めた。食事の準備を手伝いに、近所の大人や高校生も訪れる。「皆にとっての居場所になれば」と漢見さん。子ども食堂を通した新たな町づくりが始まっている。
 (安江紗那子)


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