握るハンドルで感じ取る、人の寂しさ 岡谷、バス運転手さんは元探偵

握るハンドルで感じ取る、人の寂しさ  岡谷、バス運転手さんは元探偵

 岡谷市内を走る路線バス「シルキーバス」の運転手、室坂純郎(すみお)さん(60)=同市田中町。高齢者に穏やかに接する姿が印象的だが、実は元探偵。長年社会を裏側から見つめ、人の孤独に触れる機会も多かった。
 東京都出身の室坂さんは早い時期に両親と死別。自暴自棄だった十八歳の時、埼玉県の探偵から「うちで働かないか」と誘われた。仕事の大半は浮気調査。尾行や張り込み、変装テクニックなどをたたき込まれ、四十四歳まで続けた。
 依頼者の七割が女性だが、中間層と富裕層では目的が違った。「中流は夫に事実を突きつけるが、金持ちは事実を知りたいだけ。夫に知らぬふりをして家庭生活を送る傾向があった」と室坂さん。裕福で一見幸せそうに見える人たちから孤独を感じたという。
 八年前、妻の実家のある岡谷市へ転居し、一昨年からバス運転手に。乗客の大半が高齢者で、始発から終点まで一日に複数回往復する人をよく見掛ける。通院や買い物をする様子もなく「家に居場所がないのかな」。どこに身を置いても、元探偵の目には人の寂しさが映るようだ。
 (福永保典)


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