変わらぬ差別 変えたい 氷見の加藤さん 来月講演会

変わらぬ差別 変えたい  氷見の加藤さん 来月講演会

 富山県氷見市の「ひみ花の里ドッグラン」を運営する加藤茜さん(35)が5月12日、性同一性障害の友人を講師に招き、LGBTなど性的少数者への理解を深める講演会を開く。「差別が少しでもなくなれば」と願うのは、当事者の友人の存在や、自分が学歴などで受けた差別の不条理さを知っているから。ドッグランでの交流も予定し「地域の人に来てもらい、心の距離を縮めてほしい」と願う。(向川原悠吾)
性同一性障害の友人招き
 加藤さんは愛知県の父子家庭で育った。高校を一年で中退した後は、中卒を理由にアルバイトを何度も断られ、「お母さんがいなくてかわいそう」とさげすまれたこともあった。
 高等学校卒業程度認定試験(大検)を取得して昨年九月に大学を卒業するまで、二十回ほど職を転々としたが、学歴を理由に正社員になることはほぼなかった。「差別って、なかなか変わらないなって思った」と振り返る。
 観客との距離が近く、ファンだった女装タレントミッツ・マングローブさんのライブが名古屋市のデパートであれば、足を運んだ。そこでも、周りからは「あいつオカマだろ。きもい」と心ない言葉が耳に入った。
 「知らないから偏見が生まれる。素で接したら壁がなくなるのに」。そう考えている折に、父親の彰さん(71)から、ドッグランを引き継ぐよう頼まれていた。
 「せっかくなら自分が思っていることを実現したい」。性的少数者や障害者、年齢などに関係なく利用者が訪れ、従業員が働けるよう今年、会社を立ち上げた。周囲の理解も深まってほしいと講演会の開催も決め、盛り上げるために県内の各市に後援を頼み込んだ。
 ただ、活動を続ける中、多くの人が当事者の存在を近くに感じていないと思った。高岡、氷見、射水、砺波、南砺、魚津、黒部の七市からは後援が承認されたが、富山、滑川、小矢部の三市では認められなかった。対応の違いや担当職員から「LGBTって何ですか」と聞かれるなど、行政でさえ人ごとに考えているのだと痛感した。
 同性愛などに対して、特に閉鎖的と言われる北陸地方。そして、こうした状況だからこそ「実際に目にするいい機会になる」と講演会の意義を強調する。
 講演会に招く友人の春乃陽菜さんは生まれた時は男性だったが、自認する性別は女。春乃さんは性の多様性について紹介し、当事者が苦しまないために必要な制度や子どもの当事者との接し方などを話す。
 「差別を恐れ、ずっと自分を隠して生きている人が近くにいる。身近な問題として知ってほしい」と加藤さん。「もし一緒に働きたいと思えば、ぜひ」
 講演会は十二日午後一時半から。参加無料。五月以降も、同性愛者らを講師に招く講演会を年三回ほど予定している。問い合わせはひみ花の里ドッグラン=電0766(75)0198=へ。


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