豚コレラ感染拡大「ここまで来たら人災」 高森の養豚場で県内3例目

豚コレラ感染拡大「ここまで来たら人災」  高森の養豚場で県内3例目

 高森町の養豚場で十九日、県内三例目の豚(とん)コレラの感染が確認された。県畜産試験場(塩尻市)での感染確認からわずか五日後に、民間の養豚場に感染が広がる事態に発展。「ここまで来たら人災だ」。これまでワクチン接種に踏み切らなかった国に地元の養豚農家は憤り、県は接種に向けて他県と連携し、国にプレッシャーをかける構えを示した。
 県農政部によると、高森町を含む南信地域は県で最も養豚業が盛んで、六頭以上の豚を飼育する県内養豚場八十一カ所のうち二割に当たる十六カ所が集中。飼育頭数では県内全体の六万八千頭(二〇一八年二月時点)の二割を超える計一万六千四百頭を占めている。
 高森町に隣接する飯田市で養豚業を営む男性(42)は「どこにウイルスがあるか分からず、明日はわが身」と、姿の見えない脅威に不安を募らせる。同じく隣接の喬木村でブランド豚を飼育する知久(ちく)隆文さん(48)は、豚へのワクチン接種に踏み切らない国に対し、「ここまで来たら人災だ」と不満をぶちまけた。
 飯田市の牧野光朗市長も十九日、市や高森町など近隣の十四市町村でつくる南信州広域連合の会議で、「農水省には一日も早くワクチン接種の決断をしてほしい」と要望。自身が副会長を務める全国市長会でも国に接種を働き掛けていく考えを示した。
 感染拡大を受け、県は同日開会の県議会九月定例会に、対策費二億五千二百万円を含む一般会計補正予算案を提出。養豚場の豚を一時的に全て出荷し場内の衛生管理を進める「早期出荷」を促す防疫措置や、野生イノシシを介してのまん延防止策として登山道での消毒設備の設置などにかかる費用を盛り込んだ。
 ただ、野生イノシシへの感染は七月に木曽町で確認されてから、二十七市町村に広がった。感染イノシシは今月十三日時点で累計百九頭に上る。県外では愛知県や岐阜県などに加えて、埼玉県の養豚場でも感染が広がっており、自治体単位での対策には手詰まり感が漂い始めている。
 阿部守一知事は十九日の会見で、感染が一段と広がるのを懸念する愛知、岐阜、三重など七県の知事らとともに江藤拓農相にワクチン接種に踏み切るように直談判すると表明。「統一して要請するのでしっかり受け止めてもらうことを強く期待する」と強調した。
 (寺岡葵、伊勢村優樹、飯塚大輝、二神花帆、渡辺陽太郎、我那覇圭)


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