南海トラフ巨大地震の発生に備え、県は防災対策推進条例に、過去の災害から得た教訓の伝承を「県民の責務」と位置づけ、防災・減災対策で会員制交流サイト(SNS)などの積極的活用を「県の責務」として新たに盛り込む方針を明らかにした。二月の県議会に条例改正案を提案する。十四日に開いた県防災会議の専門部会で県の担当者が明らかにした。
 改正案の前文では「『防災の日常化』により県民の防災力を向上」させるとした。県民の責務として条文には「県民は過去の災害から得られた教訓の伝承その他の取り組みにより防災に寄与するように努めなければならない」と規定する。県の責務ではSNSでの防災情報の発信などを念頭に「情報通信技術の進展に伴い可能となった防災対策について積極的に活用を図らなければならない」とした。
 大規模災害時に的確な行動をとれる県職員の人材育成についても、新たに「県の義務」と規定。具体的な取り組みは年度内に策定する県職員防災人材育成指針(仮称)に盛り込む。同指針は鈴木英敬知事の肝いりで昨年四月から県庁内で検討している。
 専門部会では、南海トラフ想定震源域内の東西どちらかでマグニチュード(M)8級の地震が発生する「半割れ」となり、事前避難を呼び掛ける「臨時情報」が県内に出された場合の具体的な対応策を地域防災計画に盛り込む方針も、県側が明らかにした。県民への呼び掛けや関係機関との連絡体制の確保、県有施設の点検などを定める。
 専門部会は、防災や地震工学、医療関係の学識経験者ら十四人で構成。会合の冒頭、関西大社会安全研究センター長の河田恵昭委員長は「(大規模災害発生時には)国が愛知県の復興に集中して三重県は置いていかれるといったこともあり得る」と指摘。「日ごろから隣接の和歌山県や奈良県に呼び掛け、連携をとることが大切」などと意見を述べた。

 (佐藤裕介)