関市の県刃物会館の建て替えと、地域交流施設(仮称)の新築工事の起工式が十五日、同市平和通の建設予定地であった。二施設は、市が観光整備している市中心部の「刃物ミュージアム回廊」の拠点施設となる。
 市は春日神社(南春日町)、関鍛冶伝承館(同)、県刃物会館(平和通)、フェザーミュージアム(日ノ出町)が集中する一帯を回廊として位置付け、観光拠点としての整備を目指す。
 一九六八(昭和四十三)年に開館し、老朽化した現刃物会館は、管理する協同組合県刃物会館が現在地の東隣に移転、リニューアルする。新刃物会館の東隣に、市が観光案内所を兼ねた地域交流施設を新築する。市は両施設の建設のため、二〇一七年までに一万平方メートルの用地を買収した。
 いずれも鉄骨平屋で、刃物会館は延べ五七二・六九平方メートル、地域交流施設は延べ九六六・三四平方メートル。両施設とも二〇年十月末の完成、二〇年度内の開館を予定する。
 新刃物会館には、従来通り刃物展示場と直売所、業界団体の事務所が入る。市営の地域交流施設には観光案内所のほか、キッチンを併設し百二十人を収容できる多目的ホールと、刃物の切れ味を体感できる体験工房を設ける。
 式には市職員や市内の刃物業者、建設関係者ら五十人が出席し、神事で建設の安全を願った。協同組合の田中彰理事長は「今の刃物会館ができて五十一年、建て替え計画から十年、ようやくこの日を迎え感慨深い。刃物のまち・関市の顔になることを願ってやまない」と語った。
 建設予定地では、室町時代に鍛冶屋敷があったことを示す鉄くずや砥石(といし)、建物の柱跡が出土し、「古町遺跡」と名付けられている。尾関健治市長は「関の刃物産業の現在はもちろん、室町時代に刀匠が作業した歴史ある場所としてもPRしたい」とあいさつした。

 (鈴木太郎)