室町時代から六百年以上続く阿南町新野の伝統芸能「新野の雪祭り」(国重要無形民俗文化財)が、十四日夕から十五日朝にかけて同所の伊豆神社であった。地元住民らが五穀豊穣(ほうじょう)を願い、夜通し舞を奉納した。
 祭り当日に雪が降ると豊年の吉兆とされる。新野では十四日午後九時ごろから雪が降り始め、辺り一面が銀世界に包まれた。
 十五日午前一時すぎ、若い男衆らが「乱声(らんじょう)、乱声」と叫びながら、神々の支度部屋の壁を棒でたたき、早く出てくるよう催促。庭の大松明(たいまつ)がともされ、最高権威の神「幸法(さいほう)」が登場すると、祭りは最高潮に達した。
 ぼたん雪が舞い散る幻想的な雰囲気の中、幸法は飛び跳ねたり、ゆっくりと腰を落としたりする独特な舞を披露。他にも幸法をまねる「茂登喜(もどき)」や馬形をまとって矢を放つ「競馬(きょうまん)」などの神が現れ、計十四種類の舞を繰り広げた。
 新野雪祭り保存会の勝野喜代始会長(66)は「雪が降り、お祝いのよう。今年がいい年になるよう祈りたい」と笑顔を見せた。
 (寺岡葵)