阿智村昼神温泉郷の旅館「石苔亭いしだ」で、館内の能舞台を彩る二千体のひな飾りが十五日、お目見えした。今年は地元の神様「湯屋守様(ゆやもりさま)」を新たに制作し、ひな飾りと一緒に並べた。薄暗いロビーの中でライトアップされ、神秘的な雰囲気を醸し出している。四月三日まで。
 金魚や紙ふうせんなどを模した五十五種類のひな飾りを、能舞台を囲むようにつるし、中央にわらで作った縦二百三十センチ、横百六十センチの大きな湯屋守様を置いた。額には令和の「令」の文字、腹部には同温泉郷のシンボルマークの星と月を装飾。湯屋守様は通常、わらのままだが、赤みがかったオレンジ色をベースに青や白、黄色で色付けした。
 湯屋守様は、湯の神様「湯屋権現様」に代わり、冬の間、昼神の地を守る神様。目は厄が入ってこないようにらみを利かせて鋭く、口は厄を食らうため大きい。地元では冬になると施設の入り口などに置き、この時季の風物詩となっている。
 二〇二〇年の節目を記念し、毎年旅館の玄関に飾るものとは別に、新たに巨大な湯屋守様を作った。制作にかかわった同旅館元社長の逸見尚希さん(51)は「インスタ映えを意識し、奇抜な色づかいを心掛けた。最初デザインしていたかわいらしい風貌の湯屋守様とはだいぶ違うが、お客さまに幸せをもたらすことができれば」と話した。
 (二神花帆)