金沢市が4月にも許可制度を改正
 移住を含めた地域の活性化に向けて、金沢市は四月にも、建物の開発が制限されている都市郊外の「市街化調整区域」にある空き家を賃貸住宅、観光客ら向けの飲食店に活用できるように、開発許可制度の基準を一部改正する。市によると、都市計画を定める県内の自治体では初の試み。空き家を減らし、田園・中山間地域のコミュニティー維持につなげる。(押川恵理子)
 十五日にあった市議会建設企業委員会で市側が報告した。
 市は都市計画法に基づき、市の面積四万六千八百六十四ヘクタールのうち二万五千十一ヘクタールを都市計画区域に定めている。このうち市街化調整区域が六割を占め、住民からは賃貸住宅などの開発を認めてほしいとの声が上がっていた。
 人口減少の中、市全体のまちづくりを考えると、公共施設や住宅を集約する市街化区域は無秩序に広げられない一方、湯涌地区や三谷地区など中山間地域の振興も大きな課題だ。今回は築十年以上の建物に限り、賃貸住宅、飲食店への用途変更を認める。市の担当者は「今までは(許可の)土俵にも上がっていなかった。踏み込んだ」と話す。
 賃貸は一戸建て住宅が対象で、アパートなど共同住宅は認めない。飲食店は食材に地域の農林水産物を使う「地産地消」を条件とする。それぞれ賃貸人と事業所が用途変更を市に申請し、市開発審査会が許可が適当かどうかを話し合う。
 市街化調整区域の開発許可制度では国土交通省が二〇一六年に運用指針を一部改正し、古民家を賃貸住宅、宿泊施設、飲食店に活用できるようにした。
 移住者を呼び込んできた金沢市湯涌地区のまちづくりグループ代表の北幹夫さん(61)は「いきなり家を購入して移住するのはハードルが高く、賃貸物件で試しに住んでみたいという声が多々あった。移住希望者にも、空き家を抱えている人にも朗報」と喜んだ。
 基準改正の資料は市のホームページで閲覧でき二十一日から二月十九日まで市民の意見を募る。問い合わせは、都市計画課=電076(220)2351=へ。
【メモ】 市街化調整区域 農地や山林を保全し、市街化が無秩序に広がらないように都市計画法で開発が制限されている地域。金沢市の場合、農家の住宅や公民館などは開発許可制度の手続きをしなくても建築できる。農家の分家住宅や農産物の直売所、伝統工芸の職人の工房などは市開発審査会で妥当性を審議し、市が用途変更や建築を許可している。