金沢 立山ガイド佐伯さん授業
 世界最高峰エベレスト(八、八四八メートル)の登頂に県人として初めて成功した立山ガイドの佐伯知彦さん(41)の授業が十日、金沢市堀川新町の第一学院高校金沢キャンパスであった。佐伯さんは登頂の道のりを振り返り「あきらめなければ夢はかなう」と強調。二〇二二年にエベレストを再訪し、日本人による最も高い地点からのスキー滑降を目指す考えも明かした。
 昨年五月にエベレストを登頂した佐伯さんは十五人の生徒らを前に、当時の写真を紹介しながらルートを説明。深い割れ目のクレバスにはしごを渡して通るときが「一番怖かった。足元真っ暗。吸い込まれるような感覚」と語った。
 山頂目前は多くの登山者で大渋滞となり、氷点下三五度の中、「僕の横の人は凍死した」と佐伯さん。山頂の眺めは「地球って丸いんだなと感じるぐらいの高さだった」と話した。
 実際にエベレストに挑むに当たり、高山病の克服と資金確保に努めたことも説明。スポンサー探しに駆け回るうち、「気が付けば、周りでたくさんの人が応援してくれた。一人の夢が一人の夢じゃなくなった」と述べた。「皆さんも夢に向かってどんどん挑戦してもらいたい」と呼び掛けた。
 プロスキーヤーでもある佐伯さんは「日本人最高所からのスキー滑走を次の目標に定めている」と表明。登山家の三浦雄一郎さんが一九七〇年にエベレストの八千メートル地点からスキーで滑降した記録の更新に挑む意向を示した。
 二年の中沢亜月さん(17)は「エベレスト登山をした人が身近(な地域)にいるのはすごい」と聞き入った。漫画家を志望しており「自分でもできるかなと可能性を感じた」と話した。授業は同校が公開講座として開き、石川県内の登山関係者も聴講した。 (平野誠也)