広島市で被爆したアオギリの下で体験を語り続けた故沼田鈴子さんをモデルにした映画「アオギリにたくして」の上映会(実行委主催)が十一日、南木曽町の南木曽会館であった。プロデューサー中村里美さん(55)、音楽監督伊藤茂利さん(65)と町民らを交えた座談会もあり、平和への思いを語り合った。
 映画では、被爆した女性が左足切断などさまざまな絶望を経験しながらも、体験を伝える語り部になることを決断する。二〇一三年に完成し、全国で上映されている。
 南木曽町では小椋シガ子実行委員長ら有志が上映会を企画。町内外から二百人近くが訪れて鑑賞した。
 座談会では、広島市出身で祖父母が被爆した高森町の山内智子さん(44)が、偏見を受けた経験を打ち明け、映画制作や上映会の関係者に「温かさに触れた。感謝せずにいられない」と涙ながらに語った。中村さんは「映画制作は未経験だったが、沼田さんの思いを伝えようと作った。一つ一つの上映が種まきになれば」と望んでいた。

 (近藤隆尚)