古墳時代の建物跡が残る「辻遺跡」(栗東市出庭)で発掘調査を進めている県文化財保護協会(大津市)は十二日、本年度の調査で、五世紀前半の竪穴建物群の跡と、県内では初の出土となるガラス小玉の鋳型のほか、製鉄用の炉と風を送る「ふいご」を接続する粘土製の部品などが見つかったと発表した。渡来系の技術とみられることから、同協会は「古墳時代、栗東市域が手工業の先進地域だったことが、改めて分かった」としている。
 調査は国道8号のバイパス建設工事に伴って二〇一八年度から実施。一九年度は同遺跡の一万二千平方メートルを対象に行った。
 ガラス小玉の鋳型は土製で、五センチほどの破片が出土した。表面に直径三ミリ、深さ一〜二ミリほどの丸穴が多数あり、裏側が炭化していた。表側の穴に串を刺した上でガラス片を入れて、裏側を火に掛けるなどして、ドーナツ型のガラス玉を効率的に生産していたとされる。ガラス玉は、首飾りなどに使われたと考えられている。
 ほかには、渡来人に関係するとされる「韓式系土器」も見つかった。調査では、古墳時代前・中期の竪穴建物が約三十棟見つかっており、鋳型などは建物内や周辺から見つかっていた。
 大阪府弥生文化博物館の禰●田(ねぎた)佳男館長は「在来の技術にはないガラス小玉鋳型の出土は、渡来人の関与が考えられる。大和(奈良)、河内(大阪)だけでなく、近江においても地域の開発に渡来人の技術が用いられたと考えられるのは興味深い」とコメントした。
 十五日午後一時半から、一般向け現地説明会が同遺跡で開かれる。JR守山駅東口から南東に徒歩二十分で、東海道新幹線の路線沿い。同協会は、周辺に駐車場がないため、電車による来場を呼び掛けている。
 (岡屋京佑、作山哲平)
※●はわかんむりに且