東近江市の本町商店街で「パンカフェKOKON」を営む地域おこし協力隊員の吉田健一郎さん(40)が先月、三年の委嘱期間を修了した。今後も市内に残ってカフェの営業を続ける方針で「これからも商店街のにぎわい創出に取り組みたい」と気を引き締めている。
 吉田さんは三重県亀山市出身。二〇一七年二月から移り住み、商店街の空き店舗を自力で改修して同年五月に開業した。オリジナルのパンはもちろん、バーベキューのスペースを設けたり、ビールやワインの種類を増やしたりもしている。
 「地域にお金が流れるように」と商店街の精肉店や製麺所から仕入れた食材を使って料理を考案。パン食い競走や歌合戦などのイベントも企画し、自分の店だけでなく、商店街全体の活性化にも力を入れてきた。
 商店街で長年薬局を営む小島修さん(82)は「人柄の良さで溶け込んでくれた。商店街のお客の世代交代を進めた功績は大きい」とたたえ、別の飲食店関係者も「通りすがりではなくても、目的地として来店してもらえる居心地の良さがあるのだろう」と評する。
 十日夜には「卒業報告会」を店で開き、支えてくれた地元住民ら八十人をもてなした。「よそ者で不安もあったが、前例のないことでも反対せず、応援してくれた」と感謝を述べた。
 移住当初は、修了後に地元に戻る考えだった。開業前の工事期間から地元の人々に優しく声をかけてもらい、市内にとどまることを決めたという。「(商店街の)閉まっている店舗をもっと開け、にぎやかにしたい」。慌ただしく店内を回る姿は、充実感にあふれていた。
 (斎藤航輝)