市営住宅団地の高齢化に伴う課題に対し、四日市市は、空き住戸を活用した地域コミュニティー維持の取り組みを進める。「あさけが丘市営住宅」では四日市大の学生二人に入居してもらい、地域の活性化を図る。「坂部が丘市営住宅」では、市社会福祉協議会の協力の下で住民主体の地域交流拠点をつくる。この二つの施策を円滑に実行していくため、市は十三日に市役所で、各関係団体と協定を結んだ。
 背景には高齢化に伴い、自治会活動や地域の交流活動が停滞しているという現状がある。いずれの取り組みも、高齢者の安心を支える活動づくりの一環。市によると、ともに東海地方では、初めての試み。
 あさけが丘市営住宅は一九六七年の完成で二百六十七戸のうち、六十戸余が空室となっている。学生二人が入居する部屋は四階で、間取りは2DK。家賃は一万円程度。学生には自治会に加入し、自治会活動や高齢者の見守り、災害時の共助活動を担ってもらう。四日市大が二人を推薦した。
 二人とも地域や防災、ボランティアの活動実績や関心がある。入居予定の江川晃弘さん(20)は「行事などに積極的に参加し、学生ならではの発想で盛り上げていければ」、板羽瑞貴さん(20)も「災害ボランティアの経験もあり、高齢者の方々に、私たちのような学生が何かしらできることがあると思う」とそれぞれ意気込んだ。
 学生が入居する住戸の内装設計を、生活雑貨「無印良品」を展開する良品計画が担う。今月半ばには地元建築会社に指導をしてもらいながら、学生と地域の人たちが協力して部屋をリフォームする取り組みも予定されている。
 坂部が丘市営住宅がある坂部が丘四丁目は、高齢化率75%の「超高齢化のまち」となっている。市社協などに空き住戸を活用してもらい、交流拠点を設ける。福祉相談の実施や専門的福祉サービスへのつなぎ、地域包括支援センターや在宅介護支援センター、協力企業、NPOなどと連携し、高齢者に寄り添うイベントなどの実施を目指す。
 十三日の協定式には、森智広市長をはじめ、市自治会連合会、あさけが丘三丁目自治会、坂部が丘四丁目自治会、四日市市社協、NPO「下野・活き域ネット」、建築会社「フォレスト・オオモリ」、四日市大、良品計画などの代表者らが出席。懇談するなどして高齢化に対応した施策について理解を深めた上で、関係者が協定書にサインした。

 (梅田歳晴)