鹿児島県のトカラ列島に生息する貴重なトカラヤギの子ども二頭が、昨年から宮田村民会館前の広場で飼育され、間近にふれあえて「かわいい」「癒やされる」と人気だ。雄のレンと雌のクララで、日なたぼっこをしたり餌を食べたり、まったりと過ごしている。
 トカラヤギは、台湾やフィリピン、大陸から伝わった在来種。元飯島町飯島小学校長で村教委指導主事の加藤孝志さん(61)が、昨年五月から同校で飼育していた一歳のレンを、同九月から新たにゼロ歳のクララを仲間入りさせ、世話している。二頭とも同町生まれ。
 ヤギは人懐っこく、ペットとしても人気。加藤さんによると、日々の餌やりや掃除に加え、草がなくなる冬場の餌確保や感染症対策といった課題があるため、情操や対応力に効果が期待され、学校現場でも近年、飼育して生活科や総合科の授業に生かされている。
 「ヤギは言葉をもたないゆえに、関わっていると、気持ちを推し量るようになる。それが、もう一人の自分と対話したり、他人の気持ちを推し量ったりして、付き合っていくことにつながる」と加藤さん。二頭がいるのどかな情景には、そんな願いも込められている。
 (石川才子)