泰阜村出身のアララギ派歌人金田千鶴の人生を描く舞台「翔ぶ!〜金田千鶴の生きた道〜」が三月八日、飯田市高羽町の飯田文化会館で上演される。飯田下伊那地域のアマチュア演劇集団「演劇宿」が、十八年ぶりの再演に向けて、稽古を重ねている。構成や演出を手掛けたふじたあさやさん(85)=川崎市=は「千鶴さんを知り、彼女が体験してきた伊那谷の歴史を通して、郷土を再発見してもらいたい」と願う。
 千鶴は一九〇二(明治三十五)年に泰阜村の庄屋の娘として生まれた。短歌や小説などの創作活動に意欲的に取り組んだが、結核により三四(昭和九)年、三十二歳の若さでこの世を去った。郷土の偉人である千鶴を語り継ごうと、ふじたさんが人生を演劇作品にして、演劇宿が二〇〇二年に初演した。
 千鶴の親族・初音と最期をみとった立沢もりら四人が、千鶴の全集を編集する過程で一生をたどる物語。演劇宿の主宰者だった小沢広人さんが昨年亡くなり、好きだった作品を上演してしのぼうと、今回の再演につながった。劇中で千鶴の短歌約八十首を取り上げるほか、舞台上に短歌を詠んだ直筆の原稿用紙を引き伸ばして展示する。
 ふじたさんは「(千鶴は)違う人の立場に立って物事を見られる人で、もう少し生きていれば、すごい活躍をしていた。地元の残すべき物を描いた作品」と来場を呼び掛けている。
 午後二時開演。チケットは一般千五百円、高校生以下五百円。未就学児は入場できない(託児あり)。(問)飯田文化会館=0265(23)3552
 (二神花帆)