大野市の人力車運行グループ「人力車越前こぶし組」は二十日、人工知能(AI)を搭載したコミュニケーションロボットを活用した実証実験を始めた。車夫とロボットとの掛け合いをきっかけとして、乗客とのコミュニケーション促進につなげる。半年間の実験の成果を踏まえ、観光施設や飲食店などでの受け付けや案内などへの活用も検証する。
 こぶし組の発足二十五周年を記念した取り組み。ロボットは実験に協力する家電メーカー「シャープ」が開発した「ロボホン」を活用。市内で整備が進む「道の駅越前おおの荒島の郷(さと)」の指定管理予定者「中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋」も回遊性の向上を目的として協力する。こぶし組によると、人力車の運行にコミュニケーションロボットを導入するのは全国初という。
 ロボホンはポケットに入る大きさで、運行時には専用ケースに入れて、乗客に首に掛けてもらう。運行中に観光スポット近くを通ると、ロボホンが「ここは?」などと質問し、車夫が答える。ロボホンとやりとりをすることで、客と車夫の会話も弾ませやすくして楽しんでもらう。
 ロボホンが話すスポットは、衛星利用測位システム(GPS)で登録している寺町通りなど十三地点。発着点の元町会館周辺の城下町を巡る一〜二キロのコースにはたくさんのスポットがあり、今後も登録点を増やしていく。
 ロボホンは会話をしながら言葉を覚えるため、元町会館でのお披露目では「よう来とくんなったね(よく来てくれましたね)」と大野弁も披露した。
 組頭の仲井太さん(60)は「大野市の良いところを知ってもらう機会にしたい」と期待を寄せる。
 (山内道朗)