動画投稿サイト「ユーチューブ」で演奏動画が世界的な人気を集め、昨年メジャーデビューした電子オルガン奏者、826askaさん(18)=鯖江市=が今月、地元の高校を卒業した。故郷を拠点に音楽活動を続ける予定で、二十五日には二作目のアルバムが発売され、単独ライブ公演も控える。「感動を与えられる演奏」を届ける決意はそのままに、新たな一歩を踏み出す。
 夢を尋ねると、少し間を置いて「日本武道館での単独ライブ。海外で演奏もしてみたい。夢は大きい方がいいですよね」。音楽活動に専念する選択に、期待も不安もあるとしつつ描く将来を語ってくれた。
 中学生の時、ユーチューブに投稿した映画「スター・ウォーズ」メドレーの演奏動画が転機だった。少女の手足で奏でられる再現度の高い演奏が海外メディアも驚かせ、再生回数は一カ月で百万回を達成。全国各地のイベントへの出演依頼は高校生になってもやむことはなく、昨年は全国ツアー公演を成功させた。
 瞬く間に有名になったaskaさんを支えてきたのは両親と兄。自家用車に楽器を積んで全国の公演に出掛け、演奏のアドバイスもくれる。「家族で考えながら行動するのが私たちのスタイル。とても良いチーム」と誇らしげだ。
 二作目のアルバム「possible」では、オリジナル曲の制作に初挑戦した。タイトルは「明日へ」。自身が演奏する姿の写真を見ながら作り、「背中を押してくれるような、ポップな曲」に仕上がった。「完成した時、母が涙を流しながら聴いてくれた。ライブでも盛り上がる良い曲ができた」
 「今ぐらいの演奏は誰にでもできると思っている」と冷静に現状を見つめる。千種類以上の音が出るという電子オルガンを極めるには、まだ道半ば。「現役高校生」の肩書も、もうない。「音楽に詳しくない人も引きつけられるように、成長していきたい」と言う笑顔の中に、決意をのぞかせた。

 (玉田能成)
 <826aska(はちにろくあすか)> 2001年、鯖江市生まれ。活動名は誕生日と名前を組み合わせている。母の影響で8歳から電子オルガンを習い、幼い頃からユーチューブに動画配信している。19年3月にファーストアルバム「DEPARTURE」(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)を発売し、メジャーデビュー。同年にユーチューブの動画総再生回数が1億回を突破した。