◆「盟友」支える 休職し、コーチ奮闘中
 今夏の東京五輪でメダル獲得を目指すアーチェリー日本代表チームに、浜松工業高のアーチェリー部監督で元日本代表選手の河合徳之さん(54)=浜松市浜北区=が、専任コーチングディレクターとして参画している。学生時代から親交のある盟友、田中伸周代表監督(54)の片腕として日本チームを支える。
 専任コーチングディレクターは、代表監督、副監督らとも意見交換する首脳陣の一角。コーチ陣と代表選手の間に立って意見を取りまとめ、練習内容の調整や環境整備、合宿計画の策定などに汗をかく。
 代表チームのスケジュール管理など裏方業務を担うことも多く、二十一日から始まる東京五輪代表第二次選考会でも、特設会場のレイアウトの作成を担当。普段はサッカーなどに使われている広場で、どこにどんな角度で矢を射るレーンを置くかを中心に、報道陣の動線やテントの配置などまで提案し、パソコンソフトで図面を作った。「土木の教諭としての測量の知識がこんなところでも役に立っています」と笑う。
 U−20(二十歳以下)代表チームのコーチなどを経て、昨年四月に現職に就いた。海外遠征を含む日本チームの活動すべてに帯同している。東京五輪を見据え、任務に専念するため、就任とともに浜松工の教諭は休職し、東京都内の味の素ナショナルトレーニングセンターを拠点に各地を飛び回っている。
 浜松工アーチェリー部出身。競技者としては一九八三年の第一回全国高校選抜大会で優勝し、高校三年時の国体でも少年男子個人の部を制した。中京大時代には日本代表チームの一員として八六年のソウルアジア競技大会団体戦に挑み、五輪二大会でメダルを獲得した山本博さんらとともに銀メダルをつかんだ。指導者に転向後も国体で県チームを計三度優勝に導くなど、手腕は折り紙付きだ。
 日本代表の田中監督とは大学時代に競技を通して親交を深め、大会で一緒になるたびに食事に出歩く仲だった。代表スタッフ入りも、先に強化委員を務めていた田中監督が声を掛けたことがきっかけ。「三十年来の仲だからこそ進言できる意見もある。メダル獲得という目標を一緒にかなえたい」と意気込めば、田中監督も「長い付き合いはもちろん、選手や指導者としての実績も申し分ない。一番信頼できる男です」と肩を寄せる。
 東京五輪の代表選考では、女子で、ともに浜松商業高出身の杉本智美選手と山内梓選手の二人が勝ち残っている。河合さんは「静岡のアーチェリーの発展のためにも、一緒に頑張っていけたら」と期待を込めた。
(酒井大二郎)