新型コロナウイルスの感染者が十八日に県内で初めて確認された。市民らは比較的冷静に受け止めたようだが、今後はどのようなことに気をつければよいのか。感染症の専門家である福井大病院感染制御部の岩崎博道教授(60)に尋ねた。
 −県内でついに感染者が確認された。
 「今後はうつさない対策も大事になる。熱やせきの症状がある人は、マスクを着用し『せきエチケット』に配慮して。うつらないために、手洗いはもちろん大事」
 −県内は今、どのような状況か。
 「確認された患者は一人で、二週間たって濃厚接触者に陽性反応がなければ、一旦は終息と言える。キーワードは『クラスター(感染者の集団)対策』だ」
 −どんな対策が必要。
 「クラスターをつくる行動は、三つの要因がある。換気のない狭い空間に、多くの人が入って、食べたりしゃべったりすること。これに気をつける」
 −イベント主催者は延期や中止で頭を悩ませている。
 「クラスターをつくるかどうかが最も大切な判断基準。中止するのは一番簡単な方法だが、運営の仕方を工夫して開催してもいい。対策は専門家に相談してはどうか。地域のかかりつけ医は感染症対策の基本を知っているはずだし、最寄りの保健所にも相談できる」
 −新年度から学校は再開できるか。
 「県内で確認された感染者はまだ一人。今後二週間たって県内でクラスターが見つからなければ、新学期から再開する方向で話し合えばよいと思う」
 −不安やストレスをためる人が多いと聞く。
 「クラスターをつくる行動を取らなければ、むしろ外に出て動いてほしい。外に出ないと体力が衰え、精神的にも弱くなるから。でも、風邪をひいている人は無理して働かないで」
 −日華化学が社長の感染を公表した。
 「よく踏み切ったと思う。公表しないと『誰が感染したのか』と詮索が続いたはずだから。ただし今後はクラスターをつくる要因がなければ、行動履歴をあえてこと細かに公表する必要はない」
 −県内でもマスク不足が依然として続いている。
 「必要な場面でのみの使用を心掛けてほしい。感染予防ならば、布やガーゼのマスクでも十分」
 −終息のめどがなかなか見えてこない。
 「今が流行のピークなのかどうか、現時点では分からない。残念ながらまだ終息が見える段階ではない」
 (聞き手・藤共生)