◆佐鳴湖のクサガメ捕獲し飼育
 日本固有の在来種だと思われてきたが、近年の研究で外来種と分かったクサガメ。浜松市を中心に活動する「昆虫食倶楽部」が昨年、佐鳴湖で約百匹を捕まえて市内で飼育している。在来種と外来種の交雑が進むと遺伝子がかく乱され、いずれは繁殖能力がなくなっていく恐れがある。夏目恵介代表(41)は「外来種の問題について、もっと知ってほしい」と訴える。
 研究者らによると日本ではこれまでクサガメ、ニホンイシガメ、ニホンスッポンが在来種とされてきた。
 クサガメは化石が見つからない上、一八〇五(文化二)年ごろ、江戸の学者・小野蘭山が著した「本草綱目啓蒙(けいもう)」に出てくる記述が最古で、それ以前は記録がない。遺伝子解析で、日本には遺伝的に異なる三系統のクサガメがいることが判明。江戸以降に、中国大陸や朝鮮半島から持ち込まれたらしいと分かった。
 仲間内でセミなどの昆虫食を楽しもうと六年前に発足した倶楽部は三年前から、メンバー十人ほどで佐鳴湖で外来種カメの駆除をしている。当初は、環境省が駆除などが必要な外来種に指定するアカミミガメだけだった。一九五〇年代後半から「ミドリガメ」として夜店などで売られ在来種を脅かすカメだ。
 クサガメは捕まえても放していたが研究の進展で外来種と分かってきたため、倶楽部でも昨年は捕まえた約百匹を飼育することに。配管部品卸会社を営む夏目代表宅の敷地に深くて大きな水槽を自費で設置した。
 アカミミガメは、どて煮やカレーにして味わい、ただ殺処分にするのでなく活用してきた。甲羅を楽器にし、販売することで活動資金にも充ててきた。
 一方、クサガメは江戸時代以降の外来種とはいえ、長く日本にいた種でもあり、殺処分には迷いがあるという。水槽は、ほぼ満杯。今年も夏から捕獲を予定しており、あふれるのは目に見えている。
 倶楽部メンバーの戸田三津夫・静岡大准教授は「どこか公の場で飼育してもらったり、学校にカメを貸し出したりできないか検討している」と話す。具体的にはこれからだ。
 夏目代表は外来種のカメをペットにしようと考えている人に「カメは長生きする。途中で川に放したりせず、最後まで飼えるか十分に考えて」と注文する。
 クサガメ 淡水性のカメ。体の脇から臭いにおいを出すのが由来。首に黄色の線が出る。大きいものは20センチにもなる。NPO法人野生生物調査協会(東京)によると9都府県が絶滅危惧1類などに指定している。静岡県は減少傾向にあるとして、県レッドリストで「要注目種」にしてチェックしている。捕獲、駆除はできる。
(勝間田秀樹)