シミやくすみの原因となる色素「メラニン」の生成を抑える二種類の遺伝子を三重大大学院生物資源学研究科の伊藤智広准教授とバイオ企業「ユーグレナ」(東京)でつくる研究グループが発見した。研究成果は化粧品や美白剤への応用が期待されており、論文は英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」の電子版に掲載された。
 メラニンは、紫外線やホルモン異常により、表皮の最下層にあるメラノサイトという細胞内で、チロシナーゼという酵素の活性が高まり、つくられる。伊藤准教授がこの生成過程を分析したところ、特定の二種類のマイクロRNAと呼ばれる遺伝子が多いほど、メラニンが生成される量が少なくなることがわかった。
 そこで、人工的につくったこのマイクロRNAを、マウスの細胞やヒトの皮膚を模した「モデル細胞」に導入したところ、チロシナーゼの量が減少し、メラニンの生成が抑えられた。
 チロシナーゼを抑制する物質は既存の化粧品などにも多く使われているが、マイクロRNAは他の物質に比べて、より少ない濃度で同程度の効果を発揮する可能性があり、今後の実験で効果を確認していく。
 伊藤准教授は「他にもチロシナーゼの抑制に有効なマイクロRNAを発見し、最終的にはそれらを混合して美白剤などの原料にできたら」と展望を語った。ユーグレナの担当者は「今後も資金面や商品化に向けたノウハウの提供で支援していきたい」と話した。
 同社はバイオ燃料やヘルスケア、化粧品の開発など幅広く事業を展開している。県内では、多気町と協力し、カワハギの養殖実験も手掛けている。
 (鎌倉優太)