鈴木選手ら教え子3人紹介
 陸上のドーハ世界選手権とリオデジャネイロ五輪の競歩競技で、能美市出身の鈴木雄介選手(32)を含む三人のメダリストを指導した同市福岡町の内田隆幸さん(74)=愛知製鋼陸上競技部競歩コーチ=のもとに、三選手をたたえる巨大看板が届いた。内田さんを取材した民放テレビ局から贈られた。内田さんは「応援が選手の力になる。競歩をもっと知ってほしい」と看板を市内に設置したい考えだ。(長屋文太)
 看板は縦一・五メートル、横一・七メートル。三枚あり、二〇一九年のドーハ世界選手権男子50キロ優勝の鈴木選手、同20キロ優勝の山西利和選手(24)、一六年のリオ五輪男子50キロ三位の荒井広宙(ひろおき)選手(31)がレース後、日の丸を掲げる写真が使われている。
 テレビ朝日の報道番組「報道ステーション」から贈られた。市内で十五日、開かれた全日本競歩能美大会に合わせ、内田さんを取材したスポーツキャスターの松岡修造さんがスタジオでの解説時、看板を使用した。十六日の番組放映後、看板が自宅に届いた。
 内田さんは約三十年前、中学生だった長男と次女に競歩を教えるようになったのがきっかけで、コーチになった。地元の子どもたちを無償で教えるうち、いつしか「内田競歩塾」と言われるほどになり、有力選手も指導するようになった。特にメダリストの三選手は、レースで一度も失格を取られたことがないほどの美しい歩型が自慢だ。
 腰の動きを身に付けるため竹ざおを肩にかつぐ、肩の力を抜くため生卵を手に持つといった練習法を独自に編み出した。かかとから接地する感覚を得るために、競歩用シューズではなく、ピンのついたスパイクを履いた練習も考案した。
 「三人が私の名前を世界にアピールしてくれた」と内田さん。鈴木選手と山西選手は既に、東京五輪代表に内定している。新型コロナウイルス感染症拡大による延期や中止の懸念もあるが、「予定通りあると想定して、トレーニングに励むのみ」と捉えている。応援の機運を高めるため、市内の公共施設への看板設置を市と相談している。
 四月二十日からは、山西選手が所属する愛知製鋼の競歩チームの合宿を市内で開く予定。内田さんは「五輪でのダブル金メダルが夢。しっかり心の準備をして、選手と二人三脚で頑張り、応援してくれる人たちに恩返しをしたい」と話す。