4月1日の改正健康増進法の全面施行に合わせて、白川村荻町の白川郷合掌造り集落に加熱式たばこ専用の喫煙所が設置された。集落近くでは、昨年11月に火災が発生。喫煙所を設けることで、火に弱い合掌家屋を守る役割も期待されている。
 喫煙所は、村とたばこメーカー「フィリップモリスジャパン」(東京都)が、昨年十二月に包括協定を結び、荻町公園や荻町多目的集会施設前など三カ所に設置した。落ち着いた色合いで、景観に配慮したデザインになっている。日本語と英語で「加熱式たばこ専用喫煙所」と書かれた看板も掲示されている。
 加熱式たばこ専用とした背景には、受動喫煙の防止と火災発生を防ぐ狙いがある。加熱式たばこは、専用の機器でたばこの葉が巻かれたステッィクを加熱し、発生した蒸気を吸う。たばこの葉を燃やさずに温めることで煙が出ず、においが少ないのが特徴だ。火を使わないため、火災発生のリスクも小さくなるという。
 今回の喫煙所設置に伴い、集落内での紙巻きたばこの使用は禁止となる。そのため、白川郷バスターミナルと村営せせらぎ公園駐車場の二カ所に、紙巻きたばこも使用できる喫煙所も新たに整備した。
 集落内にはこれまで、屋外に設置された灰皿はあったが、喫煙所はなく、合掌家屋の近くに吸い殻が落ちていたこともあった。住民組織「白川郷荻町集落の自然環境を守る会」会長の和田正人さん(59)は「これまでは、喫煙所がないからという理由で、隠れて吸われるのが怖かった。今後、歩きたばこをしている人たちに啓発しやすくなる」と期待する。
 今後、指定場所以外禁煙と書かれた看板百五十枚を順次設置する予定。喫煙所が記されたマップも日本語、英語、中国語、タイ語の四種類を用意し、観光客へ周知するという。

 (加藤佑紀乃)