新型コロナウイルスへの四人の感染が判明した可児市の合唱サークルについて、県は二十五日、所属する愛知県の六十代男性の感染が新たに確認されたと発表した。さらに、感染した同サークルの七十代の夫婦が通うスポーツジムを利用していた可児市の六十代女性の感染も判明。県は同サークルで県内で初確認となるクラスター(感染者集団)が発生した可能性が高いと判断し、実態解明や感染拡大の阻止を急ぐ。
 県によると、合唱サークルは若年層から高齢者まで、感染者を含む二十九人が週に一回、約二時間の練習をしていた。二十二〜二十三日に、所属する可児市の七十代の夫婦の感染が相次いで判明。翌二十四日には、同市の五十代女性と、川辺町の六十代女性の感染も明らかになった。
 県は他のメンバー二十五人を対象に検査に乗り出し、二十五日は愛知県の六十代男性が陽性、十三人が陰性と判明。二十六日も残る十一人の検査を続ける。
 ただ誰が最初に感染したのかなど、感染経路や広がりの実態は不明のままだ。現段階で感染が疑われる症状が最も早く出たのが、二十四日に感染が判明した六十代の女性と愛知県の男性。いずれも十三日に発熱があった。このことから県は、県在住の女性については行動歴を同日から二週間さかのぼって調べている。
 十九日にあった政府の専門家会議では、集団感染に共通する事例として、(1)換気の悪い密閉空間(2)多くの人が密集していた(3)近距離での会話や発声が行われた−の三条件が同時に重なっていたと指摘している。県は、合唱サークルはこれらの条件に当てはまっていた可能性があるとみている。
 一方、スポーツジムを利用していて感染が確認された女性は、県内で二十日に三七・三度の発熱や喉の痛みといった症状が出た。二十五日には症状は改善したものの、ウイルス検査で陽性が出たという。県は、合唱サークルと同ジムの感染者の関連について調べる。
 可児市は、同サークルが市内の公共施設を練習場所としている可能性があるとして、二十五日から四月七日までの二週間、十四カ所の地区センターや市福祉センターといった公共施設で会議室や和室などの貸し出しを中止。KYBスタジアムなどのスポーツ施設の貸し出しもやめ、児童センターは休館とした。
◆夫婦らの利用日時公表 可児のジム
 新型コロナウイルス感染が確認された可児市の夫婦が通い、二十五日になって利用者の感染が確認された市内のスポーツジムは、ホームページ(HP)で三人が利用した日時を公表している。
 運営会社によると、ジムにはプールと器具を使ったトレーニングのスペースがある。夫婦が滞在した日時にジムを訪れた客は百十人だったという。
 ジムは一時間に三、四回窓を開ける換気や、器具の消毒、スタジオレッスンを休止するなどの感染防止策をとっていた。HPで、三十一日までは休館する方針を明らかにした。
 (浜崎陽介、織田龍穂)