◆わな設置できず 「自然共存、安全は自分で」
 浜松市浜北区の県立森林公園で、芝生広場や遊歩道の路肩など、園内の広範囲で土が掘り返された跡が見つかっている。イノシシの仕業とみられる。新型コロナウイルス感染防止のため、屋外である公園で散策を楽しむ家族連れも増えている。公園管理者は、夕方や早朝などに訪れる来園者に「音の鳴るものを身に着けてほしい」と呼び掛ける。
 公園によると、イノシシの被害は約十年前からで、三年ほど前から被害が増えている。スポーツ広場やつつじケ丘、イベント広場など四カ所では耕運機で土を耕したように、あちこちの地表がめくられている。
 西部猟友会浜北分会の米沢純一分会長(72)によると、餌のミミズや昆虫類の幼虫を狙って鼻で掘り起こした跡で、行動範囲や足跡などから約二十頭が生息。大人は体長一・二メートルくらいで「イノシシの歯は鋭く、未明から早朝にかけて活動するので警戒して」と話す。
 公園で孫と一緒に遊びに来ていた浜北区宮口の嶋田文雄さん(71)は「こんなにグチャグチャにするとは。工事の跡だと思っていた」と驚いた表情。野鳥の写真撮影で、週二、三回訪れる北区三方原町の田中章さん(80)は「見事に耕してあるねえ。一頭や二頭の仕業じゃない」と語った。
 園内では二〇一六年三月、来園者が野生のイノシシに襲われ、男女九人が手足をかまれるなどして負傷し、病院に運ばれた事態もあった。最後の目撃情報は昨年十月の午後一時半ごろ、来園者からだった。
 公園内は鳥獣保護区のため、捕獲おりの設置などはできない。来園者も多いため、わなを仕掛けるわけにもいかず、園では「自然と共存する上で、自分の安全は自分で守ることを心掛けてほしい」と話している。
(伊藤一樹)