クラスター(感染者集団)発生の可能性が高まり、広がりが懸念される県内の現状や個人がどう行動するべきかについて、感染症に詳しい岐阜大病院の村上啓雄副病院長(61)に聞いた。
 −可児市での感染の広がりをどう見るか。
 五、七例目の夫婦を含む家族が行動する二つの合唱団とスポーツジムに発生が集中している。クラスターと考えてよい。中でも夫婦より早い時期に発症の可能性のある方がいることを懸念する。もちろん、感染者は被害者であって責めるべきではない。感染爆発につなげないためには、接触した全員に検査をして陽性者、発症者を適切に治療に持って行くことだ。
 −県内の感染者が十五人となった。
 岐阜の感染者はまだ人口の十万分の一にも満たず、まん延期にはないが、拡大しつつある。警戒レベルを上げるべきだ。全国的に感染経路が不明な患者が増えており、岐阜も例外ではない。潜在的には市中に無症状、発症を申告していない人が相当いると捉えるべきだ。誰もがかかる可能性があると思ってほしい。
 −ウイルスについて分かっていることは。
 自衛隊中央病院によるクルーズ船の患者百四人の分析データによると、無症状や軽微な症状でも半数以上が肺炎を起こしていた。一般の風邪やインフルエンザウイルスと同じと思われがちだが、体力を削り命にかかわる可能性もある肺炎を高確率で起こす性質のウイルスだ。軽視しないでほしい。ただ、八、九割は軽症で治っていくことも事実。通常の手洗いやマスク着用などの予防策をきちんと行えば感染しないことも分かっている。正しく恐れ、冷静に対応してほしい。
 −拡大しつつある中、集会や学校再開をどう考えるか。
 現状を踏まえると、人が集まる機会をできる限り少なくすることを、今は緩めるべきではない。ただ、経済活動や学校再開は避けられない事情もある。人が集まる場面では頻繁な手洗い、マスクの着用、入退室時の手指消毒を徹底し、体調不良の人は絶対に参加しない。それらをチェックする人を配置することも不可欠であり、より慎重に行ってほしい。
 (聞き手・安福晋一郎)