県は、二〇一九年度の防災に関する県民意識調査の結果をまとめた。発生から九年の東日本大震災を機に、いったん危機意識が高まったと答えた人が八割を占めたものの、その後に意識が薄れるなど経年変化が大きく表れる結果に。県内でも南海トラフ地震による甚大な被害が想定される中、防災意識を保つ難しさが浮かび上がる。
 県民五千人を対象にした郵送のアンケートで、二千五百三十五人が回答した。回答率は50・7%。
 地震への防災意識を尋ねる質問では、震災後に意識が高まったと答えた二千百三人(83・0%)のうち、「時間の経過とともに薄れつつあったが、近年頻発する地震により再び高まった」を選んだのは八百七十五人と最多で、全体の34・5%。ただ、一八年度の前回調査からは9・8ポイント下がった。
 一方で「薄れつつある」と答えた人は全体の30・7%の七百七十九人と、9・1ポイント増えた。前回調査した一八年度は大阪北部地震や北海道地震が起き、県の担当者は「その年の地震の発生状況で左右される傾向がある」と話す。「震災で持った危機意識を持ち続けている」との回答は17・7%の四百四十九人で微増だった。
 政府は昨年五月、想定震源域で地震の予兆を観測した際に気象庁が「南海トラフ地震臨時情報」を発表して注意を促すよう制度を変更。調査では、この臨時情報についての質問も新設したが、66・9%の千六百九十六人が具体的な内容を知らなかった。
 地震に関する制度変更の認知度が低調だった一方、水害に関して新たに導入された五段階の「警戒レベル情報」は80%近くが知っていると回答。昨年、列島に大きな被害をもたらした台風19号の記憶が新しいことが要因とみられるという。
 県は、調査結果を年代や地域別などで分析した報告書をホームページ上で公開している。県防災企画・地域支援課は「地域の防災力向上のための普及啓発につなげたい」としている。
 (斎藤雄介)