北近江の戦国大名、浅井長政の生涯を描いたコミック本が、三月に出版された。原作を務めた「ふくい歴女の会」の後藤ひろみ会長(福井市)は「長政は義兄の織田信長と理解し合いながらも争ったのだと思う。その生涯には戦国武将の切なさがある」と語る。
 ポプラ社(東京)発行の「コミック版日本の歴史」シリーズの一つ。個性豊かな浅井家家臣団のエピソードや、最後は争い合う義兄・信長の心情を織り交ぜ、長政の生涯をコンパクトにまとめた。
 長政を「まっすぐに生きた人」と評する後藤会長は、家臣と領民を大切にし、義理と秩序を重んじた人柄を表すエピソードをふんだんに盛り込んだ。信長に攻められ討ち死にする直前、家臣に功績を記した書状を送ったといい、落城後に家臣が再び仕官しやすいように、との配慮だったとみられている。
 浅井家は最後には信長に攻め滅ぼされたが、長政は同盟関係の朝倉家とともに、信長を幾度か窮地に追い込んだ。「長政と信長。二人は互いを尊敬しつつも戦ったのだと思う」と、後藤会長は推測。「長政は信長の革新性を理解していたはず。織田家の配下として天下取りに貢献する道もあった。それでも、自分の信じた道で命を散らせたのではないか」と話す。
 A5判、百二十六ページ。千円(税別)。

 (藤共生)