名古屋グランパスのFW相馬勇紀(23)が29日、古巣対決となる鹿島戦での完全復活を誓った。肋骨(ろっこつ)骨折からの復帰戦となった24日の仙台戦(パロマ瑞穂)では、途中出場から決勝点につながるパスを供給。けがの功名として得た「眼」を生かし、復調を印象づける約4カ月ぶりの得点を狙う。この日は愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで非公開練習を行った。

  相馬の表情から迷いが消えた。うまく長所を発揮できず、自身の「壁」について語っていたのが9月。追い打ちをかけるように、14日に全治3週間のけがを負ったが、23歳は力を蓄えて帰ってきた。

 約2カ月の間に何が変わったのか。「一番は見ること。見る質や量が増えてきた。それによって、今は本当にサッカーが楽しい」。プレー判断の基準となる「眼」の変化は、復帰戦となった仙台戦でも実証された。

 0―0の後半20分、左サイドでボールを持つと、味方と敵のポジションを冷静に把握。得意のドリブルで突破を狙うそぶりを見せながら、空いたスペースに回ったDF呉宰碩(オ・ジェソク)へパスを送った。結果的に、これが決勝点へつながった。負傷中の2試合はベンチ外で観戦。「客観的に試合を見ることで変わった」というけがの功名でもあった。

 リハビリ中は、祖母から届いた栄養に関する本を活用するなど早期復帰に全力を注いだ。「(クラブスタッフらも含め)本当に支えられた」。現在は私生活だけでなく、接触を伴うプレーへの恐怖心もないという。

 昨季、半年間在籍した鹿島との一戦は、天皇杯の出場権などを争う上で特に重要だ。「本当に強いチームかどうかは、こういう正念場の勝敗で決まる」。力強さにしたたかさを加えた相馬が、大一番の一発で実力を示す。