◇30日 巨人3−3ヤクルト

 リーグ連覇を達成した巨人の元木大介ヘッドコーチ(48)が本紙に手記を寄せた。新ヘッドコーチとして組閣の目玉として注目を集めた今季。コロナ禍による異例のシーズンをどう乗り切ったのか。また盲腸で戦線離脱した際の気持ちも赤裸々に語った。

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 優勝したぜー! 本当に選手が頑張ってくれたのひと言です。今年はコロナ禍で先の見通せない日々が続いた。個人練習期間中、選手から開幕がいつになるか毎日聞かれた。予想して最短でここで合わせてくれと言っても、やっぱりなくなりましたの繰り返し。練習量はいつもより少ない。でも試合が始まればみんな頑張っちゃう。直感したのは故障者が出ないようにしなきゃいけないということ。原監督には休ませながらやりましょうというのは言わせてもらった。

 それで選手の体調を気にすることを一番にした。毎日顔色をちゃんと見ながらね。今月も勇人(坂本)は足の張りで7日のDeNA戦から2試合休ませた。本人はいきますと言ってたけど。彼らが頑張ってないとこのゲーム差にはなっていない。一生懸命やった自分たちへのご褒美と思っていい。何かあってからでは遅いから早めに休ませたり、練習量を調整するというのは徹底してきた。

 だからまさか自分が盲腸で離脱するとはね。1カ月前から調子は悪かった。胃薬飲んだり痛み止め飲んだり。オフに検査しようと思っていたけど、だんだんおなかが締め付けられて寝られなくなって。それで病院にいったら即手術です、と。我慢した分、炎症がすごくて。盲腸は簡単なイメージがあったけど手術時間は4時間半。術後も絶食でやせたし貧血とかもあってキツかった。

 それは心にも影響した。当然だけど自分がいなくても試合は消化される。入院中にテレビで試合を見てるときは、正直俺って必要かな、本当に戻って良いのかなという気持ちだった。新聞も阿部ヘッド代行一色だったしね(笑)。それだけ弱っていたということだよね。そんなときに1通のLINEがきた。「忘れてないよ。頼りにしているよ。甲子園から頑張ろうぜ」。原監督だった。あの言葉はすごく励みになった。そういう経験は自分の人生にとってすごく大きい。だからケガをしている亀井とかに「元気にしているか」というメッセージは入れるようにしている。気にしてもらっていることで自分も救われたから。彼らが頑張ってきたチームだしね。 

 監督の顔に泥を塗れないという気持ちでやってきた。ヘッドコーチを打診されたのは昨年の日本シリーズで敗れた第4戦の試合後に監督室。正直な感想は「えっ、おれ?。ウソでしょ」。1年目で大変だったし、優勝できて良かったと思っていたし。「精いっぱい頑張ります」と言ったはいいけど、何を頑張ればいいのかさっぱり。自分の中に「ヘッドコーチとは」がないから俺は俺のままやるしかない。

 怒るところは怒らないといけない。それは和真(岡本)でもね。ベンチで怒鳴りつけるときはあるかもしれないと言ってある。4番打っているのにいいかげんなことしたら言うぞと。チームの顔だから。幸い強く言う機会はなかったけど、和真は年間通して頑張ってくれた。吉川尚、松原の1、2番も後半になって機能してきたし、丸と勇人は出遅れたけど、結果的には同じような数字残っている。大城も誠司(小林)が離脱して、計算狂った中で必死にリード頑張ったしバッティングも。みんな必死になったのがこういう結果になったと思う。選手には本当に感謝している。

 昨年は優勝してホッとした部分もあるけど日本シリーズで徹底的に打ちのめされたからね。なんとしても今年は日本一になりたい。今はそんな気持ちです。