渋谷真コラム・龍の背に乗って

◇31日 中日3−9広島(ナゴヤドーム)

 またも勝利の方程式が崩壊しての5連敗。クローザーが欠け、4番が抜け…。前の日に一塁を守った福田は故障で離脱し、前の日に1軍に上がったばかりのA・マルティネスが4番に入った。1軍登録は30人。1人余ってはいるが、上げる選手がいないのだ。広島戦(由宇)を戦った2軍は、野手9人。指名打者を使い、ベンチには控え野手がゼロなのだから…。

 痛みに強い、故障しないのも才能だ。大島、京田はそろって2安打。大島は140安打とし、最多安打を争うDeNA・梶谷との差を4に広げた。これが足し算。打率も3割1分8厘に上げた。これは割り算。そして、今回取り上げるのは大島が挑む引き算だ。

 7回に9球粘って四球をもぎ取った。今季の大島はこれで47四球となった。三振は45。四球より三振が少ない選手は貴重だ。規定打席到達者ではセ・リーグがヤクルト・青木(60と51)と大島だけ。パではオリックス・吉田正が怪物級の数字(70と29)を残しており、日本ハム・近藤(88と72)、同・西川(88と80)が続く。選球眼と確実性。大島のキャリアにも例はなく、球団でも2014年の森野将彦(69と66)以来となる。

 「気付いてはなかったですが、四球が多いとはずっと思っていました。四球を取るのはいつも意識していることなので、うれしいですね」

 彼が割り算(首位打者)より足し算(最多安打)を重視していることは知っている。当然、四球では安打は増えないが、勝利のためにどれほど大切かを彼はちゃんと心得ている。

 7回は粘って、選んで無死一、二塁。京田の犠打も1球で決まった。しかし、3番・阿部(三ゴロ)、4番・A・マルティネス(右飛)でとどめを刺せなかった。直後に暗転。逃げ切るのが当たり前だっただけに、何とも悲しい。主力の故障はこんなにチームを弱くさせるのか…。