◇27日 ロッテ2X−1オリックス(ZOZOマリン)

 打球が右中間に飛んだ瞬間にバットをポーンと放り、右手を高々と突き上げた。延長10回2死一、二塁で代打に起用されたロッテのドラフト2位ルーキー、佐藤都志也捕手(22)がプロ初安打となるサヨナラ打を放ち、チームを4年ぶりの7連勝に導いた。

 「興奮すぎて何だか分からない。浮いた球は振っていこうと思って。いい結果になって良かった」。新型コロナウイルス感染拡大を考慮して出迎えたナインとは抱き合うことはなく、祝福を込めて遠めからヘルメットを何度もたたかれ、井口監督からも「頼もしい新人が入った」とべた褒めされた。

 ロッテでは高卒1年目右腕の佐々木朗希が注目されてばかりだが、その陰に隠れて開幕1軍入りした即戦力ルーキーが2人もいる。法大出のドラフト5位・福田光と、東洋大出の佐藤だ。

 佐藤は高校時代のドラフトで苦い思いをした。福島・聖光学院高で夏の甲子園に2度出場し、プロ志望届を出したものの、まさかの指名漏れをした。それから4年後。進学した東洋大で頭角を現し、メジャー流の「打てる捕手」を探していた井口監督のアンテナに引っ掛かった。

 この日はプロ2打席目。試合後にはウイニングボールを贈られ、「まずはお母さん(まり子さん)に届けたい。打てる捕手としてセールスポイントを存分に出し、1軍の試合でいっぱい打ちたい」と胸を高鳴らせた。

 いずれは佐々木朗ともバッテリーを組む。一足早くヒーローになった苦労人ルーキーが打撃とリードの両面でぐいぐいと引っ張っていく。