◇29日 日本女子プロゴルフツアー アース・モンダミン・カップ最終日(千葉・カメリアヒルズCC=6622ヤード、パー72)

 若い力はしぶこだけじゃない―。注目の渋野日向子(サントリー)は予選2日間で姿を消したが、昨年11月のプロテスト合格組、田中瑞希(21)が最後まで優勝戦線をにぎわせた。18番でバーディーパットを外し、通算10アンダーでプレーオフに1打足りなかったが3位に。国内女子ツアーは新型コロナウイルスの影響で112日遅れの開幕となったが、待ちかねていたように新勢力が芽吹いた。

 プレーオフ入りをかけた18番の2メートルのパットは、わずかに右にそれた。だが、頭のてっぺんに結わえたお団子ヘアがトレードマークになった田中は笑顔を忘れなかった。「入れることしか考えてなかった。パットで緩むくせが出た。まだまだです。でも、18ホール回れて、楽しかったです」

 151センチの小さな体を、目いっぱい振り切る小気味いいスイングで、2日目から首位を走り続けた。雨で順延になった前日は「ちょっと練習場に行って、あとはホテルにいた。また初日に戻った感じで、緊張はなかった」という。1番で5メートルを入れてバーディー発進。だが、追い掛けてくる渡辺や鈴木の影に次第に取り込まれた。ショットは3日目までよりも左右の曲がり幅が大きかった。

 それでも、渋野の予選落ちショックを振り払う大活躍だった。インターネット観戦のファンからは「頑張れ」と書き込みが相次いだ。昨年のプロテストで3度目にして合格し、出場予選会17位の資格で今大会に出場。1998年度生まれの、いわゆる黄金世代だが、開幕までその存在を知っているゴルフファンはほとんどいなかっただろう。

 「次の試合がいつかは分からないけれど、今度はちゃんと勝ちきるようにしたい。(自宅のある)熊本でまた練習します」。この大会から始めたというお団子ヘアが好評だと聞くと「じゃあ…(次からも)」と約束した。観客が入るようになれば、大勢のギャラリーに囲まれそう。女子ゴルフ界にまた一人、名物選手が誕生した。