女子ゴルフの今季国内ツアー開幕戦として29日まで行われたアース・モンダミン・カップ(千葉・カメリアヒルズCC)。ゴルフファンにとって、今大会で最も異例だと感じたのはインターネット中継だろう。4日間とも、YouTubeで4チャンネルでの中継を予定。28日の競技が順延されたため29日の最終ラウンドは1チャンネルのみとなったが、試合が行われた4日間の総計で約677万件が視聴された。

 上位争いなど一般的な中継映像を放送するチャンネルのほか、特定のホールやインタビュー中心のチャンネルを用意。放送中にCMが全くなかったことも好評だった。

 大会を主催したアース製薬の大塚達也会長は、29日のリモート記者会見で「CMがなくて楽しめるのなら、その方がいい」と自社を含めたCMにこだわりがないことを強調。来年以降についても「カメラの台数を増やすなど改良を重ねて進化させたい。CMなしでやっていきたい」とネット中継の継続に前向きな姿勢を示した。

 課題もある。視聴数は予選ラウンド2日目の26日が最多。翌27日の決勝ラウンド初日は、土曜日にもかかわらず26日の約57%にとどまった。最も注目された渋野日向子(21)=サントリー=の予選落ちが影響したことは間違いないだろう。注目選手の出場状況に左右される現状からの脱却が求められる。

 また今大会は、23年ぶりに予備日として設定していた月曜日に最終ラウンドを実施した。これまでは悪天候などでその日の開催が不可能になると、競技の短縮で対応する例がほとんど。昨年10月のスタンレーレディス(静岡・東名CC)は、台風の影響で3日間54ホールの予定が2日間27ホールになった。

 競技が短縮されると賞金も減額されるため、競技の完全消化は選手にとって歓迎すべきこと。ただし、今大会は次週に大会がなかったことが幸いした面もある。移動に時間がかかる会場であれば、順位が下位の選手らは複雑な心境だろう。

 JLPGAの小林会長は29日のリモート記者会見で「ネット配信、4日間競技などやりたいことができた」と胸を張った。それでも、まだまだ課題は多い。そもそも、大会ごとにスポンサーが異なるため同じスタイルの運営方法を踏襲することは難しい。結果的に国内ツアー開幕戦となったことで注目を浴びた今大会のケースが、ビジネスモデルとして定着するかどうかは不透明だ。