ベテラン漁師ですらめったに捕獲できない幻の魚「イシナギ」。新潟県糸魚川市の市振漁港沖合でマダイを狙っていた岐阜県高山市の白川泰一さん(66)がタイラバで仕留めた。95センチ、18キロ。小型ながらも30分近い格闘を制した人生初記念すべき1匹に、地元船頭もびっくりだ。

 白川さんは6月3日早朝、乗合船で市振漁港から1キロほど沖へ。同船者は1人。タイラバでマダイを狙ったが、釣れるのはアオハタやホウボウばかりで、マダイは同船者の60センチ級1匹のみ。時刻はすでに9時半。時合いが刻一刻と過ぎ、マダイは無理かと頭をよぎったその時、手元にこれまでと違う重量感が伝わった。船上で「メーター級のマダイか」と声が飛んだ。その時の様子を白川さんに振り返ってもらった。

 白川さんはマダイを釣りたい一心で船長と魚探を見つめていた。水深65メートル付近に魚の群れを発見。すかさず仕掛けを投入し、底を取って少し巻き上げると、ゴツンの手応え。その直後、ドラグが悲鳴を上げ、ラインは数十メートルも出っ放しに。魚が根に入り一旦は止まったが、その後もドラグは滑り続け20分ほど格闘した後、ギャフで仕留めた。

 イシナギといえば、糸魚川市に隣接する富山県朝日町の宮崎沖が全国でも数少ない漁場として知られる。普段は藍瓶(あいがめ)と呼ばれる深海に生息し、初夏に産卵のため浅場へ移動したところを狙って捕獲する。