アーチェリーの東京五輪代表2次選考会第1日は21日、静岡県掛川市のつま恋リゾート彩の郷で男女各8人が出場して行われ、女子は日本勢トップの世界ランキング4位で、2018年ジャカルタ・アジア大会混合リカーブを制した杉本智美(25)=ミキハウス=が1083点で7位となり、東京五輪出場への道が絶たれた。ロンドン五輪男子個人銀メダリストの古川高晴(35)=近大職=ら男女の上位各6人が22日の最終日に駒を進めた。

 人目をはばからず、杉本は激しく泣きじゃくった。「うまく風に対して対策したつもりだったが、結果につながらなかった」。強風の影響で、第1ラウンド第1エンドで60点中45点と出遅れると、最後まで吹き続けた春風に翻弄(ほんろう)された。通過ラインの6位とは14点差。矢を片付ける時も、涙が止まらなかった。

 静岡・浜松商高で競技を始め、大学アーチェリー界の強豪、近大に進学。卒業後も練習拠点としてきた。近大の山田秀明監督は「旗の動きと矢の飛ぶ方向が全然違って、調節が非常に難しかった。(杉本の力は)こんなものじゃないんです」と悔しがった。

 2018年アジア大会では古川と組んで金メダルを獲得し、昨年のW杯上海大会ではリカーブ個人銀メダル。混合が新種目となる東京五輪での期待が高まる中で迎えた地元・静岡での今大会は、新型コロナウイルスの影響で無観客試合となった。

 「健康管理に気をつけてきたし、コンディションも合わせてきているつもりだった。試合をして後悔はなかった。精いっぱいやったと思う」と気丈に振り返りながらも、今後のことを聞かれると「考えられない」と答えた。早すぎる敗退にうちひしがれ、日本女子のエースは静かに会場を後にした。