新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、国際オリンピック委員会(IOC)が延期を含めて検討するとした22日の声明について、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長と武藤敏郎事務総長が23日、東京都内で会見。東京五輪の中止はないとした上で、大会の延期を含めた検討に入ったことを明らかにした。4週間以内に結論を出す。

 通常開催が極めて難しくなった現状で、次に焦点となるのはいつまで延期するかだ。森会長は「1カ月延ばすのか、3カ月か、5カ月か、シミュレーションをする必要がある」と話したが、現実的には年内、1年後、2年後の3択と見られる。

 年内なら費用の負担は他より少なくて済むが、膨大な調整を短期間で終わらせる必要がある。また日本だけではなく、海外でもウイルス感染拡大の終息の見通しが立たなければ開催のしようがない。そして、特に野球やサッカーなどのプロスポーツはリーグ戦との兼ね合いからトップアスリートの参加は難しくなる。一方で見通しさえ立てば、年内ならば代表選考は現行のままでも納得は得やすくなる。

 1年延期の場合、最大のネックとなるのが、7月16日〜8月1日に福岡市で予定されている水泳の世界選手権、8月6〜15日に米オレゴン州ユージンで予定されている陸上の世界選手権。スケジュールが同じで、どちらも五輪の花形種目だけに、日程の調整は必須だ。もしくは世界選手権を五輪として開催する方法も非常事態だけにあるかもしれない。

 2年後の場合、陸上や水泳との競合は避けられるが、費用の負担が最も大きい。また、選手の勢力図も変わる以上、代表選考のやり直しは避けられないが、既に内定している選手の扱いは特に紛糾するだろう。ただ、IOC収入の40%にあたる約1000億円を放映権料として拠出している米NBCの理解を一番得やすいのは陸上、水泳や米スポーツと競合しない2年だ。

 そして、どの選択肢にしても避けられないのが競技場をはじめとする各種施設と人の確保だ。五輪の会場だけではない。各国代表のキャンプ地なども全て再調整を余儀なくされ、各種スポーツ、大会に向けギリギリでやりくりしている現状に拍車がかかる。人のやりくりにしても選手側も運営側も同様だ。コロナウイルスが劇的終息で通常開催という奇跡が起きない限り、難しい決断を早期に迫られることになる。