◇龍の背に乗って

 再延期された開幕目標まで、あと1カ月。中日は25日の巨人戦(ナゴヤドーム)を最後に、4月13日まで19日間の空白期間に突入する。

 「現場の意見として、どれくらい練習試合を組めるのか。現在、答えられるのはチームの中で(紅白戦などの)試合形式やファームの試合で対応できればありがたいということ。いろんなことを考えています」

 再延期決定から一夜明け。与田監督は取材対応したが、中日球団の方針は固まっていない。プロ野球の歴史にない大混乱が続く。何が正解かもわからない。そもそも、野球のことだけ、自分たちのことだけを考えていい状況ではない。

 思い切った方針を打ち出したのは巨人だ。今回の名古屋遠征には丸、坂本らは同行しておらず、26日以降は主力組は「一時解散」。休養、練習など一切を選手に任せるということだ。中日の選手はどうなのか。

 「僕は(この19日間に)試合がなくてもかまいません。ないならないで、体のリセットに充てたいので。シーズン用に仕上げていた体を、いったんフラットにしておくのもいいかなと」

 あれば出るが、実戦はそれほど必要ではない。そう言ったのは大島だ。10日前(4月14日)から一気にスイッチを入れるという考えだ。もちろん、全員がそういう考えではない。

 「僕は試合を組んでもらう方がいいです。ファームの試合といっても、2軍の投手が相手より1軍の方がいい。それにうちの2軍の選手が出られなくなる」

 実戦待望論は京田だ。移動による感染リスクの高まり、遠征費がかさむことによる球団経営の圧迫…。こうした事情は考えた上で、選手会長は実戦を望んでいる。とはいえ、大島にしろ京田にしろ不安を抱えた中での精いっぱいの意見である。誰も経験したことがない非常事態。「正解」を知る球団、選手などいるはずがない。「目標日」まで1カ月。野球を楽しめる環境は整っているのだろうか…。

(渋谷真)