◇高松宮記念(29日・G1・芝1200メートル・中京競馬場)

 まだどの馬の蹄跡もついていない朝一番の美浦Wを、タワーオブロンドンが軽快に駆け抜けた。

 前走オーシャンSの最終追い切りでは背にテンから暴走気味に飛ばしたが、この日は一転、折り合いのついた走り。直線に向くと、外ラチ近くを馬なりのまま、重戦車を思わせる迫力で末脚を伸ばし、5F67秒6ー39秒5ー12秒6の時計を記録した。

 「馬が幾分イライラしていた」と藤沢和師が言う前走前とは違い、今回は「随分落ち着いていて、気持ちの方は穏やかだがやる気になっている」と精神面がガラリ一変。休み明けを叩かれた効果は気持ちに表れた。

 今回は福永と初コンビ。そして初の中京戦になるが、藤沢和師は「競馬は乗りやすい馬だし、どんな流れになっても大丈夫。大きな馬で幾分もたつくところがあるから、直線が長い中京は向いている」と前向きに受け止めている。

 昨夏の函館スプリントSから短距離に活路を求め、その後はG1スプリンターズSを含む5戦全てで馬券圏内の活躍。うち、斤量57キロでは2勝だ。「十分休養を取り、馬は元気で体調も良い。頑張ってくれそう」と同師が自信を持って送り出す一戦。歴戦の強者どもにも、同厩舎の後輩にも、スプリント王の座はまだ譲らない。