『キャロル』監督の新作は子供たちの物語!独創的な構成のジュブナイル小説をどう映像化した?【第70回カンヌ国際映画祭】

『キャロル』監督の新作は子供たちの物語!独創的な構成のジュブナイル小説をどう映像化した?【第70回カンヌ国際映画祭】

 現地時間18日、第70回カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品されている映画『ワンダーストラック(原題) / Wonderstruck』の公式会見が行われ、トッド・ヘインズ監督、メインの子供たちを演じたミリセント・シモンズとジェイデン・マイケル、脇を固めたジュリアン・ムーアとミシェル・ウィリアムズ、そして原作者のブライアン・セルズニックらが出席し、独創的な構成のジュブナイル小説をどう映像化したのかを明かした。

 一昨年の『キャロル』に続いてコンペティション部門に選出されたヘインズ監督の新作は、『ヒューゴの不思議な発明』の原作者として知られるセルズニックの名作ジュブナイル小説を基にした作品。1977年のミネソタと1927年のニュージャージーという異なる時代に生きる少年ベンと少女ローズの物語が、不思議な因縁で交錯して次第に一つになっていくさまが美しく、心に訴えかける。

 原作は、ろうあの少女ローズのパートは全て「絵」、少年ベンのパートは全て「文字」で語るという独創的なスタイルが採用されている。本作で脚本家デビューを果たした原作者のセルズニックは「ローズのパートは『白黒でサイレント』、ベンのパートは『カラーで音あり』というようにした」と映画ならではの方法でそうした違いを表現しようと工夫したと語る。ヘインズ監督と長年タッグを組んできた衣裳デザイナーのサンディ・パウエルに「この小説はトッド・ヘインズ向き」だと言われ、恥ずかしいため誰にも話さず、密かに脚本にしてきたという。

 そうして完成した脚本がヘインズ監督の手に。ヘインズ監督は「並外れていた。ブライアンは映画が本当に好きで、脚本は映画的なアイデアで満ちていたんだ。フィルムメイカーとしてとても抵抗できない魅力があった」とセルズニックの脚本家としての手腕を絶賛する。「それに子供のイマジネーションにフォーカスしたもの、子供の物語というのは、僕が今まで映画にしたことがないものだった。それに純粋なミステリーの構造でもある。一つ一つのヒントが映画を進めていき、なぜこの二つの物語が一つの映画なのかがわかるというね」と本作に惹かれた理由を説明した。

 本作に登場する子供たちは一人ひとりが輝きを放っている。ローズを演じたのは彼女自身もろうあのミリセントで、「トッド(・ヘインズ監督)との仕事は楽しくて、撮影現場を恋しく思っているくらい」とクルクル変わる表情と流れるような手話で語る。ベンと友人になるジェイミー役のジェイデンは「2年前に(ヘインズ監督の)『キャロル』を観て超クールだと思ったんだ」とませた発言で会場を沸かせるなどこの日の盛り上げ役で、「手話は興味深かった。子供たちも手話を楽しんでくれるんじゃないかと思う」と子供目線の見どころをアピールしていた。(編集部・市川遥)

映画『ワンダーストラック(原題)』は2018年日本公開
第70回カンヌ国際映画祭は現地時間28日まで開催

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