世界中でイベント延期が発表されているが、過去のイベントを振り返り少しでも雰囲気を楽しんでいただきたい。今回は、イベント2018年度の世界最大級のポルシェの祭典「レンシュポルト・リユニオン Ⅵ」をご紹介。

カリフォルニア州モンタレーのラグナ・セカでに集まったのは歴史的なレーシングカーに伝説のドライバーやエンジニア、そしてポルシェオーナーやエンスージアストばかり。かれらの熱情によって、ヴィンテージから最新型まで約2000台のポルシェが約2 . 3マイルのコースとパドックを埋め尽くした。来場者の公式発表は8万1550人でここ数年最多。どれほどポルシェが人々に愛されているかを如実に物語る数字である。

次は一体、いつの開催になるのだろう?」世界中のクラシック ポルシェ、そしてレーシング ポルシェのファンが首を長くして待っていたイベントが、遂に帰ってきた。前回の"V"から3年ぶり、通算6度目の「ポルシェ レンシュポルト リユニオン」が、9月の最終週にカリフォルニア州のラグナ・セカ・レースウェイにて開催された。


 
レンシュポルトとは改めて説明するまでもなく、ドイツ語のレーシングスポーツのこと。ポルシェ本社のバックアップのもと、ポルシェ・クラブ・アメリカの主催により開催されるこのイベントは、ポルシェの長い歴史を彩ってきたレーシングスポーツが集結する、文句なしに世界最大規模のミーティングである。
 
初開催は2001年。続く第2回は2004年に、第3回は2007年に行われたあと、会場を現在のラグナ・セカに移してからは2011年、2015年と4年ごとに開催されてきたが、"Marque of Champions"をテーマに掲げた今回は、3年のブランクでここに帰ってきた。それはもちろん、ポルシェ356の登場から70周年という記念すべき年に華を添えるために他ならない。
 
初日の木曜日から、ラグナ・セカのパドックは大変な盛り上がりを見せていた。何しろ参加車両は新旧あわせて実に400台を数えたからだ。初日、まず沸かせたのがパドック内のメインステージで行われたセレモニーだ。ポルシェのアンバサダーを務めるマーク・ウェバーと、ポルシェGTプログラム担当副社長であるフランク・ステファン・バリザー博士の紹介により、まずは911スピードスター・コンセプトが、そして更にサプライズとして世界限定77台のサーキット専用モデル、新型935がお披露目されたのである。
 
このパドック内にはミュージアムが特設されており、ここには名車と呼ばれるに相応しい数々のマシンが展示されていた。端の列に1939年製のタイプ64に始まり、まさに無数の356や911のレーシングモデル、そして黎明期のレース専用車である550スパイダーや718RSK等々の貴重車が並んでいたかと思えば、隣の列には70年代の908や910、そして917といった名車の中の名車が、これまた何台も揃っていたのだから興奮せずには居られない。


 
それだけには留まらない。デイトナやル・マンなど世界の耐久レースで幾多の勝利を重ねた935、936、そして956や962/962Cもずらり勢揃い。さらに近年のマシンとしては、911GT1、RSスパイダー、そしてル・マンでハットトリックを達成した919ハイブリッドなど、耐久王として名を馳せたレンシュポルトの歴史のすべてを、ひと所で網羅できたのだ。
 
めずらしいところではマクラーレンTAGポルシェのF1マシンや、インディカー、パイクスピーク参戦マシンなどの姿もあった。まさにポルシェのモータースポーツの歴史が、この場所には凝縮されていたのである。
 
集っていたのはマシンだけではない。パドックには12人の現役ワークスドライバーのみならず、伝説のドライバー、エンジニアたちも勢揃いしていた。ル・マン24時間で5回の優勝を誇るジャッキー・イクスにデレック・ベル、ヨッヘン・マス、ガイ・フォン-レネップ…といったドライバーに、名エンジニアのハンス・メツガー、ノルベルト・ジンガー。そしてウォルフガング・ポルシェ博士など、人数は総勢50名以上にものぼった。しかも彼らは、長い列を作るファンにサインをしたり、コンクール・デレガンスの審査員を務めたりと精力的に動きまわって、イベントを盛り上げていた。


 
しかしながら本当のメインの舞台は、やはりレーシングコースである。手始めはエキシビションラップ・オブ・ポルシェ・レーシング・ヒストリーと題された往年のマシンによるパレード。ウォルフガング・ポルシェ博士が駆る1948 年型の356-001 "ナンバー1ロードスター"を先頭に、歴史に残るマシンのパレードが行われた。さらにその後も、919ハイブリッドEvoや、911RSRといった最新マシンのデモ走行や、7カテゴリーに分かれてのヒストリックレーシングカーによるレースも開催された。


 
このレースは本気も本気。フリー走行から予選、決勝まで4日間を通じて全開で走り続け、そして随所で激しいバトルも繰り広げられた。その中でも圧倒されたのが、御年77歳というデレック・ベル氏が962Cを駆り、ラグナ・セカの名所にして難所、コークスクリューをハイペースで駆け下りて行くシーンだった。21世紀の今、こんな光景を間近で観られるなんて!
 
気づけば4日間はあっという間に過ぎ去ってしまった。ポルシェのファンなら、レースのファンなら、レンシュポルトのファンならここは一度、訪れる価値はある。実際、今年は4日間で合計8万人もの来場があったというから驚くばかりだ。
 
次の開催は一体いつになるのかは、現時点では未定。気になるならば欠かさずチェックしておくことをお勧めしておこう。