自らを解放してくれるクルマ。ドライバーの意思に従って、クルマはいつでもどこへでも加速していってくれる。しかし、私たちはこれからも、そのような従来型のモビリティの在り方を夢見続けていくのだろうか?ポルシェが投げかけた。

「自動車はこれまで長い間、社会的進歩の象徴であり、良き人生の証でした」と語るのは、フランクフルト未来研究所のマーク・モリソン。「クルマはステータスシンボルであり、常に憧れの対象でした。その重みは現在失われつつありますが、だからといってそれが業界全体の衰退を意味するのではありません。世の中のニーズの変化に適応できるブランドは、将来においても優れた製品を作り続けるでしょう」と続ける。

これまで多くのアンケートや統計が行われ、若者がクルマに対する興味を失っている現実が度々報告されている。しかし、ベルリン社会研究科学センターでモビリティ関連のプロジェクトグループを率いるヴェールト・カンツラーは次のように説明する。「このような状況はポルシェにとっては大きなチャンスでしょう。レンタルや雑誌の購読のようなサブスクリプションモデル、走行距離に応じた課金制といった全く新しい消費環形態が現出する可能性があるのです。EVという世のトレンドをしっかり把握することも重要ですね」

時代の先を行く356や911、カイエンを受け入れたカスタマーは、ポルシェ初のEV タイカンも歓迎してくれるだろうとポルシェは予想している。電動化はポルシェブランドの革新性を世に示す絶好のチャンスであるのだ。