スマホや電子機器で簡単に文字のやりとりやお絵描きができる時代に、あえて「手書き」を楽しんでみませんか? 第1回は美しいお手紙の書き方をご紹介します。

教えていただくのは、ワークショップやSNSで手書きの魅力を発信している文具店「カキモリ」の岡本さん。文字のクセを直すことは難しくても、手紙を書くときちょっとしたポイントに気をつけるだけでぐっときれいに見えるんですよ。
きれいな文字を書く第一歩は姿勢から。机と体をこぶし1個分ほどあけて座りましょう。ペン先へ落とす視線が斜め45度になる位置に紙を置くと、手を動かしやすくゆったりと書くことができますよ。姿勢と紙を置く位置を意識するだけで、気持ちがぐっと引き締まりますね。
次はペンの持ち方です。ぎゅっと握るように持つとペンが固定されてしまい、文字のとめはねはらいがしにくくなります。親指、人差し指、中指の3本をくっつけてその間にペンを通すように持つと、ペンの位置に空間をができ可動域が広くなるので、綺麗な字が書きやすくなります。
こちらの2枚のお手紙はどちらも丁寧な字で書かれていますが、下のほうがまとまり良く見えますね。美しいお手紙を書くには以下の3つのポイントを気をつけるといいそうです。
1、画数が大きい漢字は大きく、画数が少ない平仮名などの文字は小さく書く。
2、罫線の幅いっぱいには書かず、上下に空間をあけて文字の中心線を揃える。
3、書き出しは一文字分あけて、以下の行は縦のラインを揃える。
文字の大きさや揃えを意識するだけでガラッと印象が変わりますね。
封筒は、名前が中央にくるように全体のバランスを考えて書きはじめましょう。住所よりも名前を大きく、「様」の字を名前よりもさらに大きく書くのが美しく見えるポイントです。横型の封筒の場合、郵便番号と住所の頭文字は揃えて、2行目の住所をひとます開けると整って見えますよ。
お手紙に使うインクは、読みやすさを考慮すると暗く濃いめの色がベスト。もともと筆文化だった日本では文字書きには黒がメインで使われていますが、欧州やアメリカでは万年筆でサインする際にブルーブラックも多く使われているのだそう。
逆に避けたほうがいいのがグレー。仏事に使われる薄墨色を連想させてしまうのでフォーマルな場面では控えたほうがいいでしょう。
「手紙を書くという行為の中には“相手と向き合う”時間が含まれているんです。どんな紙とインクを使ったら喜んでくれるか考えたり、どんな言葉を選んだらいいか悩んだり…。送るまでに手間や時間がかかるからこそ、感覚的にパッと送れてしまうメールやラインとは違った良さがあると思います」(カキモリ 岡本さん)
時間をかけて丁寧に書かれたお手紙はもらった側もとっても嬉しいもの。お気に入りの筆記用具を使って手紙を書いてみませんか?