女優の富司純子とシム・ウンギョンがダブル主演し、写真界の巨匠・上田義彦が初めて監督する映画『椿の庭』の製作が発表され、7月に公開されることが決定した。

 サントリー、資生堂、TOYOTAなど数多くの広告写真を手掛ける写真界の巨匠・上田が、構想から10数年の歳月をかけて完成させた本作は、椿が咲き誇る1軒の家に住む祖母と孫娘、そしてそこを訪れる人々の物語。庭に咲く色とりどりの草花に季節を感じながら日々を慈しみ生きる家族の1年間を、所作、佇まいなど、思わず溜息をもらすほどに美しい映像と共に描く。

 かつて夫と語り合い、子供たちを育てた家に、今は孫娘の渚と住む絹子。夫の周忌を終えたばかりの春の朝、世話していた金魚が死に、椿の花でその体を包み込み土に還した。命あるものはやがて朽ちる。家や庭で起こる些細な出来事、過去の記憶に想いを馳せ慈しむ日々の中、ある日絹子へ1本の電話がかかってくる―。

 ダブル主演を務めるのは、近年では映画『海獣の子供』に声優として参加し、映画『散り椿』やドラマ『みをつくし料理帖スペシャル』(NHK)などに出演している、日本映画界を代表する女優の富司と、主演した映画『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、第74回毎日映画コンクール女優主演賞を受賞し、韓国のみならず日本でも活躍の幅を大きく広げているシム。富司は、日々庭の世話をしながら孫娘と暮らす絹子役を、シムは絹子の孫・渚役を演じる。富司が映画で主役を務めるのは16年ぶりとなる。

 上田監督は写真家として24歳から活動をはじめ、卓越した美学で撮影された作品は国内外で高い評価を獲得。本作は、監督自身の記憶、時代の移ろいの中で、節々の出来事で感じ取った感情を書き留め続けた言葉を土台に、構想から10数年をかけ脚本として練り上げ、18年から1年をかけて撮影された。なお、上田監督は、監督・脚本に加え、撮影も担当している。

 映画『椿の庭』は7月より全国順次公開。