予想を超える展開と感動を呼ぶ家族愛が“泣けるミステリー”として評判を呼び、ネットを中心に黒幕探しも過熱するなか、日曜劇場『テセウスの船』(TBS系/毎週日曜21時)がいよいよ今夜最終回を迎える。運命に翻弄されながら、あきらめずに真実を求め戦い続ける主人公を熱演する主演の竹内涼真に、クランクアップを迎えた心境と最終回の見どころを聞いた。

 1989年と2020年を行き来し、自分が生まれる前に起きた殺人事件で逮捕され、死刑囚となった父の冤罪を晴らそうとする田村心(竹内)が家族の未来を守るために奮闘する姿を描く本作。取材前日にクランクアップを迎えたばかりという竹内は、約4ヵ月間の撮影は「あっという間じゃなかったです」と笑う。「主人公に起こっている大変なことを分かっていただくために、どうリアクションしたら視聴者の皆さんを物語に引き込むことができるのかということを大切にしたいと思っていたので、現場で田村心として毎回ブレずに気持ちを持っていくことや集中を切らさずにやり続けることがとても大変でした」と振り返る。

 演じた心については、「不器用だし、人に対するものの伝え方や、やっていることが正解なのかと言われると分からない」と評す。だが「彼の発する言葉だったり、彼のとる行動は人を動かす力がある。それくらい家族を守りたいという気持ちが誰よりもある人間ですし、1話から最終話まで一回もあきらめていない。僕はそこを一番大事にして演じました」。

 過去と現在で何度も絶望の底に叩き落とされる心だが、演じる竹内にとって一番精神的にきつかったシーンは、意外にも第1話、タイムスリップする前だという。「30年間殺人犯の息子として生きてきて、自分の唯一の味方である奥さんが冒頭で死ぬじゃないですか。それって彼の人生の中でものすごいきついことだったと思うんです。そこから物語が展開していくので、立ち上がりが一番きつかった。奥さんが亡くなって、生まれたばかりの子供を抱いて、どうしたらいいか分からない状況で…。どれくらい彼は追い込まれなくてはいけないのかという、過酷な人生を探るまでが一番大変でしたね」と明かす。

 父親・文吾役の鈴木亮平には助けられた部分も多かったという。「田村心って気持ちが先行する役なので、前のめりになりすぎちゃうところがあるのですが、亮平さんは、一歩引いた客観的なところから見てアドバイスを下さって…。撮影中は本当のお父さんだと思ってやってました」。

 ストーリーが進むにつれて、心と文吾にバディ感を感じることも多かったが「僕たちも『今の、コンビ感あったよね?』と話すこともありました」と明かし、「物語上でも僕自身としても、味方が1人できたというのは助かった部分もありました。最初は1人で推理して事件に立ち向かっていたのが、お父さんと一緒に家族を守るんだという気持ちになれたので、とても頼もしい存在でした」。

 鈴木とのシーンでは現代の拘置所で再会する場面(第4話)が思い出深いそう。「自分で演じていても鳥肌が立ったのですが、亮平さんが持つ、メイクを上回る雰囲気やセリフじゃないとあのシーンは成立しなかった。あそこまで作り上げて僕の前に出てきてくださった亮平さんには感謝したいですね」。

 最終回の台本を読み「田村心は現代の最悪な家族の状況から始まって、過去と現在を行き来して、自分の家族とはこういうものだったんだということをたくさん知れて、結果彼の気持ちの中では救われた部分が多いんだなと思いました」という竹内は「心としては1話から最終話まで通してみると幸せだったんじゃないかな」とも。

 ファンとしては物語の結末が気になるところだが、「黒幕がなぜ佐野家を追い詰めるような行動をとったのか、その理由もちゃんと描かれていますし、心は最後まで家族を救うためにがむしゃらに頑張っているので、そこを応援していただけたらうれしいです」と期待をあおる。「ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか。どういうエンディングを迎えるのか、楽しんでいただけると思います。1話から積み上げてきたものがちゃんと完結する感じがあります。僕は好きな結末です」。

 日曜劇場『テセウスの船』最終回は、TBS系にて3月22日21時放送(25分拡大)。