親子クジラと 泳げるって本当? 南国タヒチで奇跡の体験

#183 Tahiti Island
タヒチ島(フレンチポリネシア)


8〜10月、タヒチ島では親子クジラと泳げるホエールスイムが体験できます。子供クジラの無邪気な行動が微笑みを誘います。(C)Patrick CINTIO

「え‼ タヒチ島でクジラと泳げるの!? ウォッチングじゃなくて、スイム?」

 2018年にタヒチ島に訪れた時に聞いた、オドロキの情報。タヒチ島ではクジラと泳げるのだそうです。

 ホエールスイムはなかなかに難しく、体験できるスポットとしてはフレンチポリネシア(タヒチ)のルルツ島か、トンガくらい。どちらも飛行機を乗り継いでいく、かなりハードルの高い旅先です。

 それが、エア タヒチ ヌイならば成田からひとっ飛びのタヒチ島で体験できるというのです。その話をしてくれた現地の人自身も、「一緒に泳いだよ」と、すごいコトをさらりとおっしゃる。

 半信半疑ながらも、2019年の秋にタヒチ島へ行ってきました。目的はもちろん、ホエールスイム!


海面を凝視していたら、尾びれが!

出発15分で親子クジラを発見!

 タヒチ島では毎年8〜10月、ザトウクジラが子育てのために南極からやってきます。ホエールウォッチングなら沖縄やハワイでも体験できますが、タヒチ島におけるホエールスイムはここ最近にスタートしたばかりのアクティビティだそうです。

 タヒチ島は大きなタヒチ・ヌイ島と小さなタヒチ・イチ島が合体した、ひょうたん型をしています。今回はタヒチ・ヌイ島の「マナヴァ・スイート・リゾート・タヒチ」内にあるウォーターアクティビティセンターの「ホエール・ウォッチングツアー」に申し込み、クルーザーに乗っていざ、海へ。

 といっても、それほど沖へ出ることもなく、海岸線に沿って南下していきます。


ボートキャプテンは周囲のボートに携帯電話で連絡を取りつつ、クジラの情報をゲット。一方でゲストへのケアもしっかり。

わかりづらいけれど、海面が平面になっているところを探すのが、クジラウォッチングのポイント。

 クルーザーに乗り合わせたのはフランスからの家族旅行の人たちなど、総勢9名。

 ガイドのトゥミ・ブランドさんは「みんなで協力して探しましょう! 水面が平面になっているところはその下にいる可能性が高いわ。水面から見える尾ヒレ、ブロウ(潮吹き)をみんなで360度チェックして!」。


ザトウクジラの背中が見えた!

 出発15分にして、親子クジラを発見。ボート内は一瞬、騒然としたものの、クジラたちを怯えさせないように声を静めて興奮を伝えあいます。

 ガイドのトゥミさんいわく、ここで大切なのは、ポジティブな“バイブ”をクジラへ送ること。「なんて、美しいの!」「あなたに会いに来たのよ!」と、念じることだそうです。

 すると鏡のようになっている水面から大きく湾曲した背骨が水面に現れ、ふたたび沈んでいきました。ひとつひとつの背骨の動きが見えるほど近くです。


ザトウクジラ発見の一報を受けて、ボートが集まってきます。

 クジラが潜ってしまうと、キャプテンは時間を計り、次に現れる場所を予想します。長いと45分間も潜っていることもあるとか。ふたたびブロウが見えた場所へ、ボートは近寄っていきます。

 情報を聞きつけたのか、他のクルーザーも1隻やってきました。けれど、クジラが湾に入ろうとしている時は水中に入ってはならないルールがあり、スイムは断念。別の場所を探すことにしました。


またもや背中を発見。釣り人が「遠くでみたよ」と言ったのは、実はひっかけで、すぐ近くからクジラの親子が出没しました。

 さらに30分ほど経過して、中だるみの時間帯。でも、ガイドさんたちは情報収集に余念がありません。近くの釣り船に「クジラを見ませんでしたか?」「あっちの方だよ」と、遠くを指さす釣り人たち。

 と、その矢先に釣り船の近くの海面から母クジラの背中が浮かびあがりました。

 慌ててスノーケリングセットを準備して、ガイドの合図とともに水中へ。そしてゆっくりと近づいていくと、水中に巨大なお母さんクジラと小さな子供クジラが深みへと潜降していく姿が見えました。

いよいよ水中へ
間近で見たクジラの姿に感動


これはお借りした写真。あまりにもクジラの出現にびっくりして、私が撮ったものは、ほとんど写真になりませんでした……。(C)Patrick CINTIO

 水中に差し込む太陽光に照らされた、お母さんクジラの胸ビレや背中がきらきらと輝き、神々しいばかり。子供クジラは元気にはしゃいでいるように見えます。なんて、美しい光景。

 長い間見ていた気分でしたが、実際はあっという間だったようです。

 ガイドいわく、お母さんクジラは脳の半分で睡眠しながら、人間が近づくのを嫌がっている動作をしていたのだそうで、これ以上の深追いはやめようということになりました。


左がマーロン・ブランドのお孫さんのトゥミ・ブランドさん。キャプテンのトゥアィヴァさんと。

 タヒチのホエールスイミングのルールでは、船は100メートル以上近づいてはならず、スイムはクジラが向こうから近寄ってきちゃった場合は仕方ないけれど、水中で10メートル以上の距離を保たなくてはなりません。運が良ければ、かなり近くでみられることも。

 今年からホエールスイムを始めたタヒチ・アクティビティセンターでは、今のところスイムできた確率は約30%だそうです。


タヒチ・イチ島のオンザビーチに位置するヴィラ・ミティラパ。レンタルヴィラのように使い勝手も上々です。

ヴィラ・ミティラパはバリ島のアンティークを惜しげもなく飾った邸宅風。

タヒチ・ボートエクスカーション&サーフの一日ツアーでタヒチ・イチ島の秘密のビーチーへ。

世界的サーフスポット「チョーポー」の波を間近でウォッチ。

 今回のタヒチでは、タヒチ・イチ島のオンザビーチのレンタルハウスにもステイ。4棟のみのヴィラでプール付き。キッチンやランドリーの装備もあり、暮らす気分が味わえます。

 そしてタヒチ・イチ島の未開の海をボートで探検し、マングローブ林でターザンごっ こをしたり、世界的サーフスポットのチョーポーでサーファーのライディングを間近に見 たり。

 通り過ぎることの多いタヒチ島。やっぱり、ちゃんと滞在しないともったいないです。 クジラも待っていますよ!

タヒチ島

●アクセス 成田からエア タヒチ ヌイで約11時間
●おすすめステイ先
マナヴァ・スイート・リゾート・タヒチ
https://www.manavatahitiresort.com/en/
ヴィラ・ミティラパ
https://www.villamitirapa.com/

【取材協力】

タヒチ観光局
https://tahititourisme.jp/ja-jp/
エア タヒチ ヌイ
https://www.airtahitinui.com/jp-ja
タヒチ・アクティビティセンター
https://www.tahiti-activitiescenter.com/
タヒチ・ボートエクスカーション&サーフ
https://www.facebook.com/tahitiboatexcursionandsurf/


古関千恵子 (こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/4世紀あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

文・撮影=古関千恵子


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